香川県高松市在住のたべぷろ編集部員しまだゆうです。香川県を代表する郷土料理の一つが「しょうゆ豆」です。他県の人にとっては、うどんほど知名度が高くありませんが、実はこの「しょうゆ豆」も負けず劣らずの香川県を代表する郷土料理なのです。今回は、香川県で子どもからお年寄りにまで愛されている豆料理「しょうゆ豆」をご紹介したいと思います。

そら豆が偶然…

香川県のスーパーに行くと必ずといっていいほど売られている「しょうゆ豆」。そして、その人気はスーパーだけにとどまらず、コンビニでも置いている店舗があるほどです。なぜ、これほどの人気があるのでしょうか?

香川県では当たり前の存在である「しょうゆ豆」ですが、全国的な知名度はそれほど高くありません。そこで、まずは「しょうゆ豆」について紹介させていただきたいと思います。

「しょうゆ豆」という名前の通り豆料理になるのですが、使われている豆は一般的にメジャーとされている大豆やインゲン豆ではなく、そら豆です。これは、香川県で生産される量が多いことが関係しています。香川県では、米の裏作としてそら豆を作っている農家が多くなっているのです。

そして、生産量が多いそら豆の食べ方の一つとして「しょうゆ豆」が存在しています。

「しょうゆ豆」の始まりは諸説あるようですが、最も有力とされているのが、偶然の産物という説です。

そら豆を使って保存食でもある煎り豆を作っている時に、たまたま醤油の壺の中に入ってしまった。しばらくして、醤油の壺に入ってしまったそら豆を拾い上げて食べてみたところ、驚くほど美味しかった。これが「しょうゆ豆」の始まりだったとされています。

そう、「しょうゆ豆」とは偶然が生んだ郷土料理なのです。

豆の皮ごといただきます

「しょうゆ豆」の大きな特徴は、その食感にあります。そら豆の特徴には皮の硬さがあります。そら豆の皮は食べないという人も多いのではないでしょうか。

しかし、「しょうゆ豆」の魅力はその皮の硬さにあるのです。「しょうゆ豆」は、そら豆を皮のまま煎って、醤油や砂糖やミリンなどを混ぜたタレに漬け込んで作ります。

そうすることによって、食べた時に程よい硬さの食感を味わうことができるようになるのです。口の中でボロボロと砕けていく感じは、一度経験してみると忘れられないはずです。

そして、次に気になるのが味です。香川県民は甘いものを好みます。そして、それは「しょうゆ豆」でも同じです。そら豆が持つ本来の甘さだけでなく、砂糖とミリンの甘さも加わり醤油とマッチして、独特の味わいをもたらしてくれます。

ご飯のお供に

そら豆は、大豆やピーナッツよりも低脂肪です。また、残されることが多い皮ですが、実は食物繊維が豊富に含まれているのです。「しょうゆ豆」は、皮ごと食べるので栄養価が高いといえるでしょう。

香川県では、給食に「しょうゆ豆」が出るほどメジャーな存在です。また、食卓ではお酒のつまみになったり、ご飯のお供になったりもします。食卓に一品。「しょうゆ豆」は、香川県民にとって、食卓の強い味方なのです。

子どもからご年配の方にまで人気の「しょうゆ豆」。是非とも、一度味わってみて下さい。