神戸市在住のたべぷろ編集部員の田添マチ子です。煮物が大好きな私ですが、煮物と言えば欠かせない調味料は“みりん”ですよね。みりんの質は料理の味を左右するといっても過言ではない!と信じています。みりんは料理に使うもの、というのが世間一般の常識ですよね。でも最近、みりんの使用用途が広がっているのです。どんな使い方があるのでしょうか。

神戸の老舗酒造が丹精込めて作った、飲んでも美味しい“みりん”

神戸には、料理はもちろん、飲んでも美味しいと言われるみりんがあります。創業明治3年の神戸市東灘区に本社を構える高嶋酒類食品株式会社が作っている“はくびし本みりん”です。このみりんは、もち米、米麹、焼酎という単一原料を使って昔ながらの製法で手造りされたみりんです。

“はくびし本みりん”を開封してみると、ふわっと甘い香りがします。一口なめてみると「おお!本当に甘い!」。ビックリしました。みりんの中でも甘口の部類に入るとは聞いていましたが、ここまで甘いとは。

スーパーなどで売られている数百円で買えるみりんは醸造用糖類やアルコールが加えられたものがほとんどですが、“はくびし本みりん”にはこれらは加えられていません。この甘みと香りは熟成過程で生まれたものなのです。スゴイ!

“はくびし本みりん”を砂糖の代わりに使ってみよう

さて、これだけ甘いのならば、普通に砂糖としても使えそうです。というわけで、コーヒーに入れてみることにしました。

コーヒー一杯に大スプーン一杯入れてみました。コーヒーって結構独特のにおいがしますよね。でもこのはくびし本みりんが全然負けてない(笑)。コーヒーの香りの中に、確かにみりんの甘い香りがするのです。

さて、一口飲んでみましょう…
コーヒーから酸味が取れているではありませんか! 甘い、というよりもまろやかになって、角が取れた味になっています。入れすぎるとコーヒーの風味にも勝ってしまいそう。

正直に言いますと、私は入れすぎたらしく、コーヒーらしさが損なわれてしまいました。これは入れる量を気を付けた方がよさそうです。小匙一杯からちびちび調節して自分にぴったりの量を探しましょう。

肝心の煮物はどうなのよ?

私が一年を通して大好きな煮物料理に使ってみましょう。豚バラ肉、大根、豆腐を使った煮物料理にしました。いつもの安いみりんと比べてどうかというと、自然な甘みと他の素材の味と風味を引き出しているように感じます。

400ml200円くらいのいつものみりんには、お菓子のような甘みを感じていました。醸造用糖類の味なのでしょうか。そして、嬉しいことに煮崩れがいつもより少なく仕上がりました。

“はくびし本みりん”で最近話題のみりんシロップを作ってみよう♪

最近、“みりんシロップ”がじわじわと話題になっているのを知っていますか。みりんは低GI食品なので、白砂糖のように血糖値が一気に上がるということがありません。みりんシロップは、お菓子からお料理まで幅広く安心して使える万能シロップです。

早速作ってみましょう。作り方はとっても簡単。

【用意するもの】

本みりん…お好きな量

以上です。まあ最初は100mlくらいにしておきましょうか。小さめの鍋に入れて火にかけます。そして半量になるまで弱火で煮立たせましょう。

とっても簡単と豪語しましたが、実は私は一度失敗しました。私、料理、下手なので! 作る量が少ない時は焦がさないように気を付けましょう。みりんはアルコールですので、万が一を考えて火にかけているときは絶対に目を離してはいけません。

それに火にかけると5分くらいで沸騰し、吹きこぼれることもあります。半量になるまで、と言いましたが、煮立つと泡立っているので、どれくらいの量なのかよく分かりません。10分弱くらいでよいでしょう。出来上がりがこちら。

ゴールドのみりんシロップの出来上がりです。舐めてみると、みりんとは思えないような甘い味になっているではありませんか! 風味がいい! コクもある! 上等なお砂糖として使えます。果たして“はくびし本みりん”以外でもこんな味になるのでしょうか。

これだったらパンケーキ、ヨーグルト、フレンチトーストのお菓子系はもちろん、みりんですから砂糖の代わりに料理に使えば、甘みもしっかりありながらヘルシーなので一石二鳥です。これは家に一つ置いておきたいです。

ちなみに失敗したのがこちら。完全に煮立たせすぎたのですね…

シロップ、なので粘りが出るまで飴細工職人のように頑張って煮込んでしまったのです。みりんって煮詰めるとこんな色になるのですね! 冷え固まると岩になり、スプーンが取れなくなりました。欠片を舐めてみますとやはり甘いのです。

もう少しうまくやれば、飴にできたかもしれません。みりんシロップを作るときには煮立たせすぎないように気を付けてくださいね。