新潟生まれ、新潟育ちのたべぷろ編集部員・秋山ツクルです。現在、「残ったごはんは冷凍保存」が基本になりつつあるようですが、実は我が家ではごはんの保存にそれほど気を付けたことがありません。それでいて翌日の朝やお昼に温めなおして、おいしくいただいています。

ごはんは冷まそう!

ちょっと反則気味に聞こえますが、我が家ではごはん、炊けたらその瞬間から「冷ます」方向へ進行します。家族みんなでほぼ同時にごはんが食べられる環境だからかも知れませんが、保温はしません。

実はこの「保温」がごはんを劣化させているかも、と考えています。と言うのは、我が家も以前は保温ジャーを使用していたのですが、その頃と比較して、温めなおしたごはんの味の方が断然おいしい。

我が家では食べ残したら、真夏以外は翌朝まで冷めるがままに放っとく(常温)。翌朝食べる分だけ温めなおして食べて、残った分は冷蔵庫へ。かなり無造作ですが、ちゃんとおいしくいただいています!

昔は蒸かしていた

電子レンジが普及する以前は、いかにご飯を「温かく保つか」に主眼が置かれました。温めなおすには蒸気で蒸すくらいしか方法がなかったからです。

ガス炊飯器が現役の我が家、まだごはんを蒸(ふ)かす時に使う専用部品を持っています。おかまにセットすると上げ底になり、下部に水を張り炊飯スイッチを入れると蒸気が上がります。昔は、いつ帰るかわからないお父さんが冷たいごはんを食べることにならないよう、ごはんは温かいまま保存する必要があったのですね。

保温ジャーはそのために必要な道具だったのでしょう。でも今は、電子レンジがあります。上手に使うと、炊きたてのおいしさがよみがえります。

ごはんの状態によって温め方を工夫しよう!

・前日の晩に炊いたご飯を翌朝食べる場合
気温と湿度に注意し、保湿にさえ気を付けておけば、ごはんは冷たくてもまだしっとりつややかです。これを温める時には、お茶碗に食べる分を盛ってそのままレンジで「温めモード」、もしくはごはん1膳につき500wで1分半くらい。残りは冷蔵庫へ入れます。

・冷蔵庫のごはんを食べる場合
ごはんは低温下で時間がたつと変質します。パサパサになった場合は、ごはん1膳につき小さじ1杯程度、水を振りかけてからふたをして、レンジで長めに温めます。

別のお茶碗をかぶせてふた代わりにして、温めスタート。こうすると、ごはんの中の水分や振りかけた水分が温められて蒸気になり、まるで「蒸かしている」環境になります。

熱すぎて触れられないくらい、しっかり蒸気を出します。やけどに気をつけて下さい!

たくさん温める場合は、こう。お皿を上にするより蒸気の循環が良いのでは、と考えています。

どんな場合でも、重要なのは「温めるのは食べる分だけ」。

保存したごはんの状態を観察、「蒸気」に注目して温め方を工夫しましょう。ごはんにたっぷりと蒸気を行き渡らせることで、ふっくらおいしいごはんに戻ります。

焼きおにぎり≒けんさ焼き

戦国時代、上杉謙信公が考案したとされている食べ物があります。それが「けんさ焼き」。いわゆる「焼きおにぎり」です。

由来としてよく言われるのが「剣の先」におにぎりを刺して、直火で焼いて食べたから。実は私、勝手にもう一つの可能性を考えています。

新潟弁では「〇〇さん」のことを「〇〇さ」と言います。「お菊さん」なら「きくさ(菊さ)」と言った具合。もしかしたら上杉謙信公のことも「謙信さん」と親しみを込めて呼んだのかな、なんてことを想像します。「けんしんさ」はちょっと言いにくいので、「けんさん」→「けんさ」焼き、と言うわけです。

焼きおにぎりを作ろう!

「飯には味噌!」この鉄板ルール、現代人はもっと意識したほうがいいかも!そんな気持ちにしてくれるコラボです。

まずは一般的な焼きおにぎりから。

1、冷ご飯でも、温かいご飯でもOKですが、握っておにぎりにならないほどぱさぱさだったら、温めなおしましょう。

2、手水をして、おにぎりを握ったら、味噌を少々手に取って、また握ります。表、裏にお味噌が付くようにしましょう。

3、グリルでも、オーブンでも、トースターでも、フライパンでもOK、香ばしく焼き上げます。

そしてこちらが、けんさ焼きの定番スタイル――しょうがやゴマなど、あじ味噌をのせるパターンです。おにぎりだけで焼き、あじ味噌をのせてもう一度焼きます。今回はアルミホイルにオイルを薄く塗り、トースターで焼きました。あじ味噌はお好きなものでOK。写真のけんさ焼きは、すりごま入り甘味噌です!

使うお味噌のあんばいで量を加減しましょう。ちなみに我が家のお味噌は、町のお味噌屋さんの手作り生みそなので、少しの量でいい塩梅です!