冷蔵庫で作った氷との相性まで考慮した缶ハイボール
長期低迷から抜け出し、新たな安定成長期に入ったウイスキー市場。日本でのウイスキー定着を印象づけるのが、家庭用缶ハイボールによる家飲みの拡大。09年に「角ハイボール缶」を発売して以降、市場の伸びをけん引してきたのがサントリースピリッツだ。
同社のウイスキー戦略の鍵となるのが、飲用時の品質追求。店によって味わいにばらつきがないよう「おいしい角ハイボール」の作り方を定め、どの料飲店で飲んでも高い品質を維持する活動を徹底してきた。
この考え方は、缶ハイボールでも同様。料飲店でのおいしいハイボールを家でも楽しんでもらうために、家庭用の冷蔵庫で作った氷との相性まで考慮した上で味覚の設計を行っている。こうした家庭用・業務用を連動させた取組みが、缶ハイボール市場の成長を支えてきた。
現在、缶ハイボールでは角ハイのほか手頃な価格帯の「トリスハイボール缶」、バーボンの「ジムビームハイボール缶」などをラインアップ。角ハイとトリスハイは通常品に加えて、アルコール度数を9%に高めた「濃いめ」も発売しており、より強くウイスキー感を味わいたいユーザーに人気だ。
コンビニエンスストアではそれぞれの350ml缶と500mlのロング缶の計4品を並べて販売する店舗も増え、缶ハイボールの露出を増やしている。
◇日本食糧新聞の2017年10月23日号の記事を転載しました。
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