純・新潟人のたべぷろ編集部員・秋山ツクルです。食べている野菜は大体半径10キロ圏内産、もちろんこの季節は元祖・エディブルフラワーとも言うべき「かきのもと」も頂きます。
「花、食べるの?」と心配されている方には明言させて頂きます。私たち新潟人、ガッツリばっちりおいしく、かなり昔(江戸時代)からずーっと頂いています。

「かきのもと」は食用菊

食用菊「かきのもと」、観賞できるくらいきれいな菊の花です。食べる部分は主に「花びら」(がくも食べられます)。

通常がくから上が販売されますので、花びらだけをむしって集め、調理して頂きます。シャクッとした歯触りとさわやかなお花の風味がおいしい、こちらではれっきとした「野菜」。新潟人にとっては旬となる秋の味覚の代表格です。

「菊ならどれでも?」と思われますか?実は食用の品種があり、生産方法も違います。食べてみようかな、と言う場合は、「食用菊」であることを確認してください。

食べる価値、あり!

調理しても色はとってもキレイに残ります。近年は食べ物の色素の栄養効果が期待されていますね。キレイな色の源、アントシアニン、フラボノイドなどの摂取ができます。ビタミン、ミネラル類も含まれ、栄養面からも捨て置けない食材と言えるでしょう。

独特の名前も気になりますよね。いわれとしては「柿の根本」あるいは「生垣の根本」から来ている、さらに有力なのが「柿が色づく頃が食べごろ」など。加え、個人的に耳にしたことがあるのは、「柿の木と成長を助け合う=柿のコンパニオンプランツ(共生植物)である」と言うもの。

本当の意味で「柿の素」であり、だからこそ柿の木の根元に植えるのだ、と言うものです。いずれにしても諸説ある状況、どれも当てはまるのではないでしょうか。

そして新潟以外でも菊を食べている地方があります。県内でも中越、上越エリアでは「おもいのほか」、山形では「もって菊」「もってのほか」などと呼ばれます。やっぱり面白い名前ですね!

さぁ、たべてみよう!

では下ごしらえから、詳しくご紹介いたします。

まずは可食部をむしりとって集めます。

お花の中心部分を持ち、花びらを軽く引っ張ると、ちぎれずにぽろっと外れます。ちょっと子どものままごとを思い出しますね!大ぶりの花びらだけ、集めて食べましょう。変色している部分など、気になるところは省いて下さい。

大きめの鍋を使って、沸いたたっぷりのお湯に少々のお酢(ティースプーン1杯くらい)、塩一つまみを入れてサッと湯がきます。

沸騰しているところへ集めた花びらを一気に入れ、水面に浮かびますので菜箸で湯に押し込むように混ぜましょう。再沸騰したら完了、フワッとお花の香りが広がります!

ざるにあけて湯切りをしたら、なるべく平たく広げ、そのまま冷まします。

冷めたら味付けを。赤紫はアントシアニンの色、ぜひお酢を使って下さい。色が一層鮮やかになります。

黄色の方はお酢では変色しませんし、ゆでるだけで十分きれいなので、お酢を使いたくないお料理には黄色がおすすめですね。味にそれほど違いはありませんが、赤紫の方が若干甘みがあるかも知れません。

微妙な違いですが、左が甘酢で和えたもの、右はゆでただけです。お酢で和えると赤みが差します。

「酢:砂糖=1:1に醤油を少々」の甘酢で和えたり、他の食材と一緒に胡麻和えにしてもとってもおいしいです。今回は、大根の細切りと裂いたマイタケを合わせてみました!

残りそうなら乾燥加工する保存方法もありますが、ゆで、冷ました段階でラップに薄く広げ、冷凍保存する方法も。食べる時は自然解凍して味付けします。

今回せっかく二色の菊を調理しましたので、赤紫と黄色、どっちも一度に使ってみたところ・・・

なかなかサイケデリックなおひたしになりました。お試しあれ!