UHA味覚糖はクックパッドと共同で、あめ(ハードキャンデー)を使ったレシピを提案する「アメぽんレシピ」をWebなどで展開。あめの需要が低迷している若者層などへ、積極的に訴求を図っている。

〈ファスナー付き保存袋に手羽先と長ネギを入れ、調味料のほか同社の「純露」を入れ冷蔵庫で1時間漬け込んで、それを鍋で煮る〉–。そんなレシピ動画が消費者の心をつかみ「砂糖を使うより照りが出る」「砂糖は大さじ何杯など計測が面倒だが、あめは決まった個数を入れるだけで簡単」など好意的な反応が多く寄せられた。

16年からクックパッドとタッグを組み「お菓子と料理の新たな可能性」を探っていた同社。初年は、さまざまな商品でメニュー提案を行い、クックパッドのユーザーに作ってもらうキャンペーンを行った。その中であめを使ったレシピの評判が良かったため、簡単に作れるメニューを動画で提案する「アメぽんレシピ」へ進化させた。

同キャンペーンの狙いは「現在、あめを買っている層は、比較的年齢が高い人が多い。一方、クックパッドの利用者層は若い人が多く、『あめで料理をする』提案で、若い人にあめを手に取ってもらう機会を増やしたい」(マーケティングデパートメント橋本奈々美主任)とした。

またWebだけでなくスーパーマーケットなどの店頭でも、同社の菓子を料理に使う提案をし、生鮮売場でのあめの陳列など、多面的なアプローチを行った。

マーケティングセクションの下村守道セクションリーダーは「兵庫県の郷土料理『いかなごのくぎ煮』では材料にあめを使う。昔から関西のスーパーなどでは、『いかなご』と一緒にあめなど材料を集合陳列していた」とし、昔からあった兵庫県の文化も同キャンペーンのヒントになったと話す。

従来、あめを菓子売場以外で展開するのは難しいが、新たな需要の掘り起こしを狙う同キャンペーンは、バイヤーの賛同が得られやすいなど、商談や営業でも新しい切り口となった。

同セクションリーダーは「そろそろ次のステップに進まなければならない。レシピだけでは難しい部分もある。『われわれができること』と『消費者の関心』をどう組み合わせていくか、もう一度新たに考えていかないといけない」とし、現状に満足せず、キャンペーンのさらなる進化に意欲を見せた。

アメぽんレシピ

◇日本食糧新聞の2017年9月13日号の記事を転載しました。