樽職人の技が見られる「樽酒マイスターファクトリー」オープンへ
菊正宗酒造は4日、瓶詰樽酒商品が発売50年を迎えたのを機に同商品を全量「純米化」し新発売した、と発表した。併せて神戸市東灘区の嘉宝蔵敷地内に樽酒の魅力を伝える工房「樽酒マイスターファクトリー」を11月下旬にオープンする。
新商品「菊正宗 上撰 純米樽酒」は、独自の酵母研究で生まれた「キクマサLA酵母」で、樽酒専用の純米酒を醸造。吉野杉の樽に一定期間貯蔵することで、やさしい口当たりながら辛口でコクのある味わいを実現している。
アルコール分15%。参考小売価格(税抜き)は1.8Lが2110円、720mlが923円、300mlが407円。
「樽酒マイスターファクトリー」は、酒蔵を約1億円かけて改修。菊正宗酒造は13年から社内で樽職人を育成しながら製樽事業に取り組んでおり、工房内では樽の素材である吉野杉を展示し、職人によるくぎや接着剤を使わず、「竹割り」や「樽組み」などといわれる江戸時代と変わらぬ樽づくりの様子を間近に見ることができる。
樽酒づくりの過程をパネルや映像でも紹介。樽詰場も設けられており、杉の香りと成分を酒に移す「樽詰め」作業も見学できる。見学は隣接する菊正宗酒造記念館の来館者のうち、午前と午後の20人ずつ(先着順)を予定。
嘉納治郎右衞門社長は「樽酒に合う純米酒が開発できた。従来の樽酒を純米酒に刷新して、新たなお客さまに喜んでもらえるよう商品を提供していきたい。樽酒マイスターファクトリーでは、日本の伝統技術である製樽技術を一般の人に知ってもらい、樽酒の魅力を伝えられたら」と話している。
◇日本食糧新聞の2017年9月13日号の記事を転載しました。
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