構想6年…不可能といわれていたホット販売専用の「缶入り燗酒」を実現
日本盛が今冬、燗(かん)酒によるホット酒類市場の創出に乗り出す。180mlのアルミボトル缶入り燗酒の販売を10月2日から、コンビニや駅ナカ数百店舗のホット飲料コーナーでスタートする。同じ仕様の麦焼酎(縣屋酒造)も同時に発売。今後、ホットで販売する酒の市場をリキュールなどにも広げていきたい考えだ。
「燗酒を手軽に楽しめる業界初の商品。日本酒業界を引っ張るターニングポイントになれば」(森本直樹社長)と意気込む。
「〓酒(かんざけ)180mlボトル缶」は構想から6年をかけて完成した。酒類総合研究所との共同研究で劣化臭を発生させにくい酵母を開発するとともに、糖類とアミノ酸の含有割合を抑える独自の仕込み技術を確立することで、業界で不可能といわれていたホット販売専用の日本酒を生み出した。酵母・技術ともに特許出願中。
販売はレジ横のホット什器やホットドリンクコーナーを想定。店舗側に、冬場の酒類売上げの増加、マグネット効果による来店者数や客単価アップといったメリットを訴え、理解と協力を得ていく。
テスト販売を通じて、おでんや店舗周辺のイベントなどと連動させたPOPを作成しており、テスト販売で効果は実証済みという。酒と飲料の併買となることから仕切り板などで明確な区分陳列を行っていく。
初年度の売上げは1億円を計画するが、早期に10億円規模に育成したい意向だ。アルコール度数は「〓酒(かんざけ)」が14度以上15度未満、「麦焼酎」が10度。価格はどちらも税別223円。
※〓…火へんに間
◇日本食糧新聞の2017年9月29日号の記事を転載しました。
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