京都・阪急河原町駅から徒歩7分の場所に、おしゃれママも、自然派ママも満足するカフェがある。野菜中心の料理を提供する「mumokuteki(ムモクテキ) cafe&foods」だ。個性的な店名は、目的なく、ふらっと立ち寄り、ホッとできる空間を目指してとのこと。2014年からファミリールームを完備し、子連れ客も安心してくつろげる。「おしゃれな空間で、こだわった食べ物を楽しみたい」というママたちに大人気だ。

ケチャップでニコちゃんマークのような笑顔

キッズプレートには、重ね煮コロッケ、豆腐ハンバーグ、ポテトサラダ、ケチャップライス、レンコンチップスに、バナナが付く。特徴は、肉、牛乳、卵、化学調味料を使っていないこと。

自然食品というと、茶色く地味なイメージがあるが、子どもに見た目からも楽しんでもらおうと、コロッケとハンバーグにケチャップでニコちゃんマークのような笑顔を描く。子どもは、自分の分だけ顔が崩れていると泣き出すこともあるため、「厨房では、毎回真剣に心を込めて描いています」と、リーダーの山田さん。

6歳以下の子ども連れ客専用ルーム完備

「親子でお得なセット割」も

現会長の出路雅明さんが社長時代、「生きることは、食べていくこと。素材から吟味した食を提供したい」と2007年に同店を開業した。今でこそ入店待ちの客がいる人気店だが、数年は、席がまばらにしか埋まらず、やることがなくてビラ配りをしていた時代もあった。

流れが変わったのは、10年ごろから。山田さんは「時代の流れが、体にいいものを食べたいという、自然志向が強まっているように感じます。できる限りのアレルギー対応をしていることも大きいようです」と振り返る。

14年に授乳室もあるファミリールームを増設した。落ち着いたアンティーク雑貨が飾られた、おしゃれな空間で、絵本やぬいぐるみ、お絵かきペンと紙もある。増設以前は、一般客と子連れ客の両方が気を遣っていたが、今では、それぞれが安心してくつろげる。

スタッフ全員で話し合い、少しでも喜んでもらおうと「親子でお得なセット割」を作った。大人のフードメニューと、キッズメニューのいずれかを注文すると、大人にドリンクを、子どもにはドリンクとスイーツをプレゼントする。

全体の17%が子連れ客という同店。山田さんは「時代の流れに乗りつつも危機感をもって、お客さまはどんなことに喜んでもらえるのかを常に考えています」と語る。

◇日食外食レストラン新聞の2016年11月7日号の記事を転載しました。