こんにちは。管理栄養士・ジュニア野菜ソムリエの稲尾貴子です。毎日暑い季節になりましたね。あまり食欲がなく、それでも家族の食事は毎日作らないといけない、この時期は特に困っている方も多いのではないでしょうか。献立を考えるだけでもおっくうになりがちな季節ですが、少しの工夫で、毎日の夕食づくりがラクになります!時短と節約のコツについて、夏に実際に作っている1週間分の夕飯献立をご紹介いたします。

月曜は野菜たっぷり!

<献立>
ご飯
野菜炒め
ズッキーニのチーズ焼き
トマトのサラダ
バナナ

週明け1日目は、野菜炒め。疲労回復効果のある豚肉をたっぷり使った野菜炒めはシンプルな塩こしょう味で。週末にたまねぎやキャベツ、にんじんなどをまとめて切って保存袋に入れておけば、帰宅後は炒めるだけ!中華味や鶏ガラスープ味、豚キムチ味など、アレンジも豊富な野菜炒めです。是非いろいろなアレンジを楽しんでみてくださいね。

副菜は旬の野菜を手軽においしくいただきましょう!オリーブオイルで炒めたズッキーニは相性の良いチーズ味で。ズッキーニに火が通ったら塩こしょうで味を整え、チーズをかけ蓋をします。チーズが溶けたら完成のお手軽な1品ですよ。こどもも大好きなチーズ味でパクパク箸が進みます!

トマトは切ってドレッシングをかけただけ。そのままでも美味しいトマトですが、ポン酢やドレッシングをかけるとまた違った味わいになります。和風しょうゆ味やごまドレは相性が良くおすすめです。

野菜たっぷりの見た目なので、こどもたちにはごほうびのデザートも追加しました。デザートのバナナを目標に、完食目指して野菜もぱくぱく食べ進められますよ。

火曜はお魚の日

<献立>
ご飯
鮭と厚揚げの和風あんかけ
キャベツときゅうりの塩昆布和え
にらたま汁
キウイフルーツ

今週は鮭をセレクト。週末に塩こしょうで下味をつけてチルド室に入れておいたので、片栗粉をつけて焼くだけで表面がカリっと、とても香ばしくなり、魚が苦手なお子さんでも皮まで食べやすくなりますよ。厚揚げも表面がカリっとするようトースターでサッと温めました。

今回は、たまねぎ、にんじん、しめじを入れた和風あんかけにしてボリュームたっぷりにしてみました。たまねぎ、にんじん、しめじは週末にまとめて切って「和風あんかけセット」にして冷凍しておくと便利ですよ。しめじや椎茸などのきのこ類は、冷凍するとうま味がグッと増し、美味しいあんかけができますよ。

我が家では、肉料理が多いですが、週に1回は魚料理を作ることに決めています。魚には、臭いや味に特徴があるものも多いので、毎回、どんな料理にしたらこどもたちがおいしく食べてくれるのかを考えて作っています。

生活習慣病予防やこどもたちの成長面を考えると、週2~3回は魚料理というのが理想ですが、家族の希望なども聞き入れて、今は週1回で落ち着いています。

DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)なども摂れるよう、サバやイワシ、アジなどの青魚を選ぶことも多いですが、淡白な味わいの白身魚を選ぶこともあります。塩焼きや照り焼き、煮物などにすることが多いですが、フライや竜田揚げなど、揚げ物にすることもあります。

キャベツときゅうりは塩昆布と和えるだけの作り置きを活用しました。かきたま汁は、水溶き片栗粉でとろみをつけてから卵を流し入れ、滋養強壮や疲労回復効果の高いにらを入れ、和風だしと薄口醤油で食べやすい味に仕上げました。

にらは加熱しすぎると効能が落ちてしまうので、出来上がり直前に入れてサッと火を通してくださいね。

デザートのキウイフルーツは半分に切るだけ。スプーンで食べるなら皮をむく手間も省けます。キウイフルーツは果物の中でも特にビタミンCや食物繊維など、たくさんの栄養素を豊富に含んでいます。デザートは少量でも、苦手な献立で食の進みにくいこどもたちにとっては食べ進めるモチベーションになるのでおすすめです。

水曜は子どもが喜ぶハンバーグ!

<献立>
ご飯
ハンバーグ
切り干し大根の煮物
卵豆腐

週の半ばですがちょっとがんばります。ひき肉に塩こしょうをしてから、粘り気が出るまでしっかり捏ねることが美味しいハンバーグ作りのポイントです。

時短のため、たまねぎはみじん切りにして600W3~5分レンジで加熱します。レンチンでもしっかり火は通りますし、たまねぎの甘みを引き出してくれますよ。たまねぎの水分が出ますので、少し冷まして、しっかり水分を絞ってからひき肉と混ぜてくださいね。

ボリュームを出すために豆腐や卵を入れることでふっくら美味しいハンバーグが出来ます。我が家では小さめのハンバーグをたくさん作り、おかわり自由を楽しんでいます。

ハンバーグに手間がかかる分、副菜は簡単に。切り干し大根は水で戻して炊くだけの簡単なものを活用します。ひじきや昆布も入ったものを利用すると、食物繊維やミネラルもたっぷり摂ることができるのでおすすめですよ。

また、切り干し大根はしっかり噛んで食べるためにも、柔らかく煮すぎず、少し噛み応えのあるぐらいに仕上げるのをおすすめします。こどもたちにはしっかり噛んで食べる習慣を身につけてもらいたいですね。

完成後、冷蔵庫から卵豆腐をお皿に出し、お手軽な夕食の完成です。

木曜は麺類の日

<献立>
焼うどん
ポテトサラダ
冷ややっこ
もやしとレタスの中華スープ

週に1回は麺の日を設定し、焼きそばやパスタだけではなく、夏は素麺や冷やし中華など、いろいろな種類の麺類を毎回考えるのを楽しんでみてはいかがでしょうか。

この日は、冷やしサラダうどんにしようと準備していたのですが、雨で気温が上がらなかったことと、家族が夏バテ気味だったこともあり、急きょスタミナ焼うどんに変更しました。火曜日の和風あんが残っていたので、もやしやキャベツと一緒に具材に追加し、焼き肉味でボリューム満点の焼うどんが完成しました。

ポテトサラダは、じゃがいもは茹でると時間もかかり、鍋を洗う手間もありますので、レンチンで時短に。600Wで約5分加熱するとスッと潰せる柔らかさになりますよ。レンチンする間に、きゅうり、ハム、りんごを切り、作り置きのゆで卵と一緒にマヨネーズで和えました。

もやしとレタスの中華スープは、鶏ガラだしの素で味をつけてサッと煮た簡単スープです。洗ったり切ったりする手間が少なく、火の通りやすい野菜を選ぶことが、簡単に作るポイントです。

完成後、豆腐をお皿に出します。冷ややっこはしょうゆだけでも美味しいですが、大人は是非しょうがやねぎなどの薬味たっぷりで。夏の疲れに負けない栄養をしっかり摂っておきましょう。

金曜は丼の日

<献立>
カレーライス
ゆで卵サラダ
バナナ

翌日の昼食にもなるよう、丼物を多めに作ることにしています。親子丼や牛丼だけではなく、カレーライスやハヤシライス、冬は鍋料理やシチューなどもこのカテゴリーに含めています。

この日のカレーは具材を小さめに切り、加熱時間を短縮できるように作りました。こどもたちの大好きなカレー。おかわりもできるよう、副菜はシンプルにサラダだけ。

カレーには豚肉、にんじん、たまねぎ、しめじを入れています。大豆の水煮を入れても美味しいうえ、たんぱく質もしっかり摂ることができるのでおすすめですよ。カレーライスだけだと糖質や脂質に比べ、たんぱく質が少なくなりがちなので、サラダには作り置きのゆで卵を添えました。

土曜は下味冷凍を活用!

<献立>
もち麦ご飯
鶏肉の照り焼き
厚揚げの大根おろしがけ
たたききゅうり
もずく

日中出かけることも多いので、下味冷凍を活用することが多いです。まとめ買いした鶏肉を、一口大に切り、しょうゆと砂糖と一緒に密封袋に入れて冷凍します。出かける前に、炊飯器のタイマーをセットし、冷凍庫の鶏肉を冷蔵庫に移して解凍おくだけで、外食の誘惑にも惑わされませんよ。

帰宅後、解凍された鶏肉を、調味液ごとフライパンに入れ、蓋をして中火で約7分加熱すれば焼き鳥風の鶏肉の照り焼きが完成します。

もし、調味液や鶏肉から出た水分が多いようなら、煮汁に水溶き片栗粉を加えることで、しっかりと味も絡んで美味しい鶏肉の照り煮に仕上がりますので試してみてくださいね。付け合わせは、作り置きの茹でいんげんを添えました。

厚揚げはトースターで温め、大根おろしとポン酢をかけるだけのお手軽メニューです。

たたききゅうりは少し大きめに切ったきゅうりを密封袋に入れて麺棒などでたたき、にんにく、しょうが(チューブ入りでOK!)、砂糖、酢、濃口しょうゆで漬けたものです。酸味が効いて夏らしい1品です。

作り置きしておくと、味が染み込んで美味しいですよ。食べる直前に、いりごまやごま油、ラー油などをかけ、是非いろいろな味わいを楽しんでみてくださいね。

もずくは、冷蔵庫から出してお皿に盛り付けるだけのお手軽なものです。夏場は特に、食欲がなくてもサッパリと食べやすいので、たたききゅうりやもずくは冷蔵庫に常備しておきたいですね。

日曜は手抜き献立

<献立>
ご飯
刺身
たまねぎサラダ
きんぴらごぼう
豆腐とワカメのみそ汁

1週間分の買い物をまとめて日曜日にする我が家では、刺身やお総菜など、そのまま食べられるものを購入し、夕食にしています。家族の大好きな刺身やコロッケなどを購入することが多いです。簡単なみそ汁とサラダだけ作れば、手軽に豪華な食卓になりますよ。

たまねぎサラダは、新たまねぎのスライスにかつお節とポン酢をかけたシンプルなもの。新たまねぎの美味しいこの時期だけの、たまねぎの甘みを味わってみてください。たまねぎの辛味が気になるようなら、少しレンジで加熱すると甘みが出て食べやすくなりますよ。

きんぴらごぼうは週明けの作り置き用に、多めに作りました。ごぼうだけでなく、にんじんや糸こんにゃく、白ごまを入れるのが定番になっています。白ごまは、お皿に入れラップし、1~2分レンジで加熱するだけで、炒りたてのような香ばしい香りになりますので、ごぼうを炒めている間に是非試してみてくださいね。

少し甘めの味付けにしていますので、こどもたちも大好きなきんぴらごぼうです。噛み応えのあるごぼうでも、食べやすい味付けにすることで残さず食べられるうえ、しっかり噛んで食べる習慣も身につくといいですね。

メインを曜日で変えるのが献立づくりのマイルール

毎日献立を考えたり、買い物のたびに献立を考えたりしていると、四六時中、献立のことばかり考えているような気がしてくることがありませんか。忙しいワーママさんは、献立を考えることそのものが苦痛になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、献立を決める際のルールをご紹介いたします。我が家では、メインの献立を曜日で決めています。もちろん、予定があったり急用が入ったり、急な外食などで予定がずれることもありますが、あらかじめ曜日を決めることで、買い物の前に献立で悩まされる時間も短縮できます。1週間分まとめて決めてしまえば、毎日の夕食の献立を考える時間からも解放されますよ。

月曜:肉料理
火曜:魚料理
水曜:肉料理
木曜:麺類
金曜:丼物
土曜:下味冷凍を活用
日曜:自由

どの曜日にどの料理というのは、それぞれのご家庭でお好きに決めてくださいね。

主菜となるメインの料理は、鶏肉、豚肉、牛肉、魚介類の中から選びましょう。

副菜は、あらかじめ考えておいてもいいですし、お買い得の野菜を購入してから考えてもいいでしょう。旬の野菜は栄養価が高く、比較的価格が安いものも多いです。彩り豊かな野菜を購入することを心掛けると、さまざまな栄養素を摂ることができます。是非いろいろな色の野菜を手に取ってみてくださいね。

冷蔵庫の常備品を活用して夏を乗り切る

夏ならトマトやきゅうりなど旬の野菜を切るだけ、豆腐やもずくなど冷蔵庫から出すだけなど、手間のかからないものを副菜にするのもおすすめです。

切り干し大根やひじきなどを常備しておき、活用するなど、副菜はなるべく簡単なものとなるよう、あらかじめ購入しておくことをおすすめします。

また、忙しいワーママさんはカット野菜や冷凍野菜も上手に活用してみてください。カット野菜は千切りキャベツだけでなく、キャベツやたまねぎ、にんじんなどがセットになった野菜炒めセットや、カットねぎなど、たくさんの種類があります。

冷凍の野菜も種類が豊富で、冷凍のほうれん草や里芋、枝豆だけでなく、冷凍のささがきごぼうなどもありますよ。コンビニやスーパーで、是非チェックして毎日の夕食作りに活用してみてくださいね。

私は豆腐、卵豆腐、もずくなどを冷蔵庫に常備し、そのまま1品として利用しています。トマトやきゅうりなどの旬の野菜は切って出すだけで立派な1品となるので、ドレッシングやポン酢など、日によって味を変えて楽しむと飽きずに食べられますよ。

下味冷凍で時短

下味をつけて冷凍しておいた肉は、解凍してフライパンで焼くだけで完成する時短メニューです。

具だくさんのスープは野菜の下処理に意外と手間がかかります。もやしやレタス、ニラやワカメや冷凍ねぎなどを活用し、手間のかからない食材を活用し、なるべく簡単なスープにしました。

果物は、むいたり切ったりする手間の省ける、キウイフルーツやバナナ、ぶどうやアメリカンチェリーなどが登場回数多めです。

まとめ買いで節約

肉や魚はまとめ買いして下味をつけて冷凍しておきます。

あらかじめ献立を決め、買い物リストを作ってから買い物に行くことで、無駄な買い物や買い忘れを防ぎます。ただし、副菜は決め過ぎず、旬のお手頃価格の野菜を購入し、簡単な副菜を作ることにしています。

子どものために噛み応えのある食材も

しっかり噛んで食べる習慣をつけるために、噛み応えのあるごぼうや切り干し大根なども取り入れました。一方で、食欲がなくても食べやすいよう、あまり噛まなくても食べられる豆腐や卵豆腐、果物なども適宜取り入れました。

こどもたちが苦手なものでも頑張って食べられるようにするため、多少割高となってもデザートの果物は用意しました。旬の果物や特売の果物で価格はなるべく抑えています。少量でも、デザートの効果は大きいです!