こんにちは、母ちゃんライターの高橋あんづです。以前、「「食べ物絵本3選」 0歳~2歳児のオススメを保育士さんに聞いてみた」という記事を書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか? 「うちの子、もう0歳児向けじゃ満足できないわ!」と思われたママさん、もちろんいらっしゃるかと思います。今回は2~3歳、またはそれ以上のお子さんから人気の食べ物絵本を、保育士さんにリサーチしてまいりました。

前回の記事はこちら
「食べ物絵本3選」 0歳~2歳児のオススメを保育士さんに聞いてみた【ご飯奮闘記】

『おにぎり』 湯気がたちのぼるような、美しいイラスト

離乳食が完了し、大人に近い食事がとれるようになってくる2歳前後。この頃のお子さんから人気の絵本がこちら、「おにぎり」(作:平山 英三、絵:平山 和子、出版社:福音館書店)です。

日本人の国民食ともいえる、「おにぎり」。本を開くと、繊細なタッチと淡い色使いがなんとも美しい、暖かなイラストが現れます。炊き立ての白米を手のひらにのせ、具を詰めて、そして握る・・・単純な内容ではありますが、不思議と見入ってしまう魅力がある、そんな絵本がこの「おにぎり」なのです。

母親や元気なおばあちゃんのような、おにぎりをにぎる血色のいい肉厚な手のひら。そして湯気がたちのぼる、炊きたての白米。写真のような精密さがありながら、懐かしく優しい空気がイラストによって表現されています。まるで、炊きたてご飯の香りがこちらまで漂ってくるかのよう。

この絵本を見て、「ごはん食べよう?」と言う子もいるのだとか。

『おいしいおとなあに?』 食べ物とかわいい動物にわくわく

食べ物だけではなく、かわいい動物たちも子供たちのハートをキャッチする「おいしいおとなあに?」(作・絵:さいとう しのぶ、出版社:あかね書房)は、保育士の先生おすすめの一冊。

この絵本の登場人物たちは、さまざまな動物たち。表情豊かに描かれる動物たちと、「もぐもぐ」「かぷりっ」といった楽しい擬音語がじつに魅力的。この動物たちが、かぶりついたり、食べこぼしたり、なんとも美味しそうに料理を食べているものだから、何だかこちらまでわくわくしてきてしまいます。

さらにこの絵本のもうひとつの魅力が、イラストの書き込み具合です。パン屋さんでパンを食べるカバや、縁側でスイカを食べるアライグマなど・・・イラストの1枚1枚にストーリーがあり、子どもとの会話も自然と膨らむことでしょう。

料理をするお母さん狼のむこうで羊のお父さんが料理を待っていたりと、それらの設定もなんだかユニーク。対象年齢は「2歳以上」となっていますが、もっと年齢が上のお子さんでも十分に楽しめる一冊ですよ。

『みかん』 子どもたちがこぞって手を伸ばす、大人気の本

私が通う育児支援センターには多くの本が置いてあり、今回はその中からおすすめの「食べ物絵本」を保育士さんに聞いてまわりました。そのさい、保育士さんたちが「大人気だ」と口を揃えたのが、この「しぜんのくに みかん」(出版社:すずき出版)でした。

ご覧ください、このボロボロ具合。これこそ長年にわたり、多くの子どもたちの手に取られ、愛されてきた証拠ではありませんか。

中身は豊富な写真で構成されており、みかんの実の構造や、みかん畑でみかんが成長していく様子などが紹介されています。文字も多く、正直2~3歳のお子さんにとっては難しい内容といえるでしょう。しかし不思議なもので、子どもたちは冬になると本棚に置かれるこの本を、奪い合うようにして開くのです。

意外だったのは、2~3歳の未就園児だからといって必ずしも内容のやさしい、単純なイラストの絵本に惹かれるわけではないという点です。子どもたちは私たちが思っているよりももっと自由に、本の内容を吸収しているのかもしれませんね。

この本は定期購読向けの雑誌としてかなり以前に発売されたもののようで、いま同じものを手に入れようとしても難しいかもしれません。しかしもし似たような本に出合った際は、「まだ早い」なんて決めつけず、積極的に開いてあげてもいいのではないでしょうか。

まとめ

正直なところ、私としてはまさか「みかん」が1番人気に来ると思っておらず、少し驚きました。しかし記憶を辿ってみれば、わが家の長男も何度もこの「みかん」を手に取っていたように思います。

その様子は「文章を聞く」「内容を理解する」といったものではなく、「写真を頭にインプットしている」ようでした。今後も素晴らしい絵本たちを通し、子どもの食べ物に対する好奇心をのびのびと育ててあげたいものですね。

それではみなさん、また次回!