こんにちは、母ちゃんライター高橋あんづです。以前、子どもの好き嫌いに関する記事で「『もったいない』という言葉は、子どもにはうまく理解できない」とご紹介しました。今は理解できなくても、いつかはきちんと教えたい「もったいない」という気持ち。今回は子どもの「もったいない」という気持ちを育ててくれる絵本「もったいないばあさん」をご紹介したいと思います。

食べ物を「もったいない」と感じる心を育ててくれる絵本「もったいないばあさん」

以前の記事はこちら
嫌いな食材、残したら食べさせる? 無理強いしない? 保育士さんに聞いてみた【ご飯奮闘記】

ある日、長男がこんなことを口走りました…「『もったいないばあさん』がくるよ…」と。「もったいないばあさんって、一体誰ぞや?」と思いながらも、「うん、来るよ!もったいないばあさんが来る!」と返してみたところ、何と長男号泣。

どうやら「もったいないばあさん」とは、幼稚園で読み聞かせられた絵本のことらしいのです。「長男が強く反応しているな?」と感じたため、次の日早速「もったいないばあさん」を探しに図書館へ。

そして見つけたのがこの三冊。「もったいないばあさん」は講談社から発刊されており、作者は真珠まりこさん。2004年に出版された「もったいないばあさん」をはじめ、写真の「もったいないばあさんがくるよ!」「もったいないばあさんの いただきます」など、数多くのシリーズ作品が存在しています。さらには絵本だけではなく、DVDやかるたも発売されるほどの超人気作品。

「もったいないばあさん」公式HP

図書館で見つけたのはこの3冊でしたが、元々置いていないのではなく、実は半分以上が貸し出し中。多くの親御さんが子どもの教育のため、「もったいないばあさん」を手に取っていることがよく分かりました。それでは早速、絵本の中身を読んでみることにしましょう。

「もったいないばあさん」は親にとっての教材でもある!

事前にインターネットで見た読者の感想には、「子どもの顔についたお米をベロベロなめ回す」といった内容が書いてありました。長男も何だか怖がっているし、「いわゆる『おどし系』の絵本なのかな?」と思っていたのですが、実際に読んでみるとその印象はガラッと変わることに。

確かに、もったいないことをする子どものもとにばあさんはやって来ます。しかし単に「おどす」「叱る」わけではなく、もったいないばあさんは「なぜもったいないのか」「どうしたらいいのか」を教えてくれるのです。

中には、捨てるはずの野菜のヘタや皮を活用する「おばあちゃんの知恵袋」的な内容もあり、「今度やってみよう!」と思わせてくれるものも。食事に関してだけではなく、日常生活のさまざまな「もったいない!」を改善してくれるもったいないばあさん。

なるほど、もったいないばあさんは子どもにとってだけではなく、親にとっての教材でもあるんですね。

最初はもったいないばあさんを怖がっていた長男も段々と興味を示し、次の日には「読んで」とせがむようになっていました。そして、な、な、なんと、食事の際に「もったいないばあさんがくるよ」と言ったところ、残していたおかずを食べてくれたのです!

親が言うよりも気に入ったキャラクターに言われた方が効果がある、そういうことってありますよね。

食育に特化した「もったいないばあさんの いただきます」

それでは次に、食育に特化した「もったいないばあさんの いただきます」をご紹介しましょう。こちらの本では、炭水化物やタンパク質などの栄養が体にどのような影響を与えるのかを、「大きくなれる」「毎日気持ちよく過ごせる」といった子どもにも分かりやすい言葉で教えてくれています。

栄養の働きをしっかりと理解できなくても、もったいないばあさんが教えてくれるなら「そっかぁ、体がおおきくなるんだぁ」と、なんとなく受け入れてくれるかもしれません。食べ物がなぜもったいないのかに関しても、優しく伝えてくれていますよ。

そしてもう一冊は、「もったいないばあさんと 考えよう世界のこと」。こちらは絵本ではなく、児童書のカテゴリーにありました。字も細かくなり、「自然破壊」や「子どもの貧困」などの社会的な問題をテーマにしています。

もったいないばあさんに親しんだ子どもたちが成長し、もったいないばあさんを通して世界について学ぶ…普通に社会問題を勉強するよりも、ずっと入りやすいのではないでしょうか。

まとめ

「もったいないばあさんシリーズ」は私の子ども時代に無かった絵本なので、お恥ずかしながらその存在を知ったのはごく最近のこと。しかし実際に読んでみて、もったいないばあさんが人気の理由がよく分かりました。皆さんも一度手に取ってみてはいかがでしょうか。食育以外の面でも、もったいないばあさんはさまざまなことを教えてくれるはずですよ。