日焼けすると真っ赤になって日焼け止めが手放せないたべぷろ編集部員・田中茂中です。残暑が厳しい8月31日は「野菜の日」と制定されています。暑さでバテて食欲不振にならないためにも、旬の夏野菜をたっぷり&しっかりといただきたいものです。
きゅうり、オクラ、みょうが、なすに大葉に、それからとうもろこし…おなじみの夏野菜ですね。これらを一気に、そして簡単に食べられる食べ方が「だし」という料理です。

ただ細かく刻んで混ぜるだけのシンプルさが良い

米沢出身の母いわく、「農家さんが食べていた料理で、色々な野菜をたっぷり使うから贅沢な食べ物でもあった」とのこと。山形県内ではかなり認知度が高い料理ではありますが、頻度はご家庭それぞれということでしょうか。

そんな山形の郷土料理「だし」は決して昆布やかつおぶしから取り出す「出汁」ではありません。日本料理には欠かせない「出汁」の認知度が高いため、山形のこの「だし」は誤解されて普及されにくい一面もあるのでは……と愚考しております。

「だし」の作り方はいたってシンプル。

お好みの夏野菜を生のまま細かくに刻んで、オクラや「納豆昆布」などの粘り気のある食べ物と和えます。納豆昆布とは、粘り気の強いがごめ昆布を細切りにしたもの。

なければオクラだけでも大丈夫で、とにかく粘り気で一まとめにしてしまうんですね。この粘りが夏バテにも効いてくれそうです。

混ざったら醤油や削り節で味付けするだけ。大葉やみょうがの薬味が効いた、夏野菜のうまみを味わう素朴な料理です。

我が家ではとうもろこしを甘みや彩りで一緒に入れますが、これは米沢地方に多く見る「だし」の作り方らしいですね。

山形県内の地方やご家庭によっても少し違いが出てくるんですね。

「だし」はご飯にも冷や奴にも、そうめんの薬味にも一緒にどうぞ

夏野菜のうまみをぎゅっとまとめた「だし」は、白米や冷麦、冷ややっこなどのプレーンな味と一緒に食べると大変美味しいです。他にも豚しゃぶのごまだれやポン酢の代わりとしても、「だし」で豚肉をさっぱりいただくことができます。

そのままご飯にかけて食べるのが定番の食べ方です。イメージは定食でもおなじみの「ばくだん丼」に近いと思います。粘りと野菜の美味しさがご飯を進ませてくれますよ!

貰った野菜、余った野菜……夏の野菜の使い道の一つとして「だし」を作ってみてはいかがでしょうか。

夏バテで食べ飽きやすいものへの付け合わせに好適な食べ方の一つだと思います。