ほのかな熟成感と優しい塩味が素材の味を引き立てるハナマルキの「液体塩こうじ」が、料理界で存在感を高めている。多くのトップシェフらがその利便性や汎用性を高く評価し、業務用での用途が拡大。50%減塩や除菌タイプ、海外向け製品など品揃えも豊富だ。2月下旬に東京・品川プリンスホテルで行われた料理界のイベント(主催=東京シェフズ、後援=全日本司厨士協会東京地方本部)では、同社の味噌や液体塩こうじを使った20品以上の料理が振る舞われ、ホテル・レストランの料理人、流通関係者ら約300人の来場者が舌鼓を打った。

「料理の下ごしらえや最後の味付けにぴったり」

塩麹は米麹と塩、水を混ぜて発酵・熟成させた日本古来の伝統調味料。塩の代替としてはもちろん、肉や魚に下味を付ける“漬け床”としても利用できる。ハナマルキの味噌や液体塩こうじを使用した料理は、グルメジャーナリストの東龍氏がプロデュースし、山田泰雄品川プリンスホテル総料理長らが調理した。塩麹で下味を付けた和牛ステーキやカルパッチョをはじめ、塩麹を練り込んだラーメンやてんぷら、魚介のブロシェットなどがビュッフェスタイルで提供された。

坂井一之全日本司厨士協会東京地方本部副会長は「料理の主役は食材であり、調味料は脇役にすぎないが、塩麹は(素材の味を引き出すという意味で)主役を張れる素晴らしい調味料。和食だけではなく中華やフレンチ、イタリアンなどさまざまな料理に使える」とその万能性を高く評価。

すでに液体塩こうじを使っているというウェスティンホテルの畑山誠シェフは「通常の塩と比べて食材の仕上がりが全く違う。特に鶏肉や魚で顕著だ。バターとの相性も良さそうなのでこれからいろいろと挑戦してみたい」と意欲的だ。「日本料理 しち十二候」の斉藤章雄総料理長は「無色の液体なので、料理の下ごしらえや最後の味付けにぴったり。同じ麹からできている味噌や日本酒との相性も良い」と、液体塩こうじの魅力を語った。

ハナマルキは12年10月に「液体塩こうじ」の販売を開始し、塩麹の普及・拡大に努めてきた。液体のため利用できる料理のバリエーションが広がり、家庭用、業務用ともに売上げが伸びている。15年2月には酵素を生かしたまま除菌化した「LB(Low Bacteria)液体塩こうじ」を発売。16年6月に塩分を50%カットした「やさしい液体塩こうじ」を発表しラインアップを拡充。海外向けの製品も好調だ。

◇日本食糧新聞の2017年3月6日号の記事を転載しました。