東京・中野にオープンした「YAKISOBA&GROCERIES 一服」は、食品ECサイト「アーケードトーキョー」のリアル店舗と焼そば専門店の二つの顔を持つユニークな店。ユニークなのは焼そばも同様で、麺と具が分かちがたく一体化している一般的な焼そばとは異なり、麺と具を別々に調理して盛り付けているのだ。

「創業店である阿佐ヶ谷の居酒屋青二才で、常連客に提供したのが商品化のきっかけ。具と麺を別々にすることで酒のツマミとしても楽しんでいただけると考えたんです」と神谷栄伸店長。それにしても“神焼きそば”とは大上段に構えたネーミングである。「開発した私の名前が神谷。神谷が作った焼そばだから“神焼きそば”となりました」と笑う。

コロナ禍をきっかけに専門店としてスピンオフさせるにあたり、材料をゼロベースで見直してバージョンアップ。麺は100年の歴史を持つ地元製麺メーカーの大成食品に依頼。北海道産ハルユタカ100%を使用し、毎日打ち立ての麺を仕入れることで豊かな小麦の香り、のど越しが楽しめる。

ソースは酒のツマミにもなるスパイシーさを求め、京都のオジカソースとプライベートブランド開発するといった具合にこだわり、まさに「進化形焼そば」といえる完成度に昇華させた。

同品に加えて毎週土曜日は勝手に「焼きそばの日」と銘打って限定創作メニューを用意。近年増えつつあるニューウエーブ焼そばに新風を起こす注目店の登場だ。

●店舗情報
「YAKISOBA&GROCERIES 一服」
所在地=東京都中野区新井1-15-12

◇外食レストラン新聞の2022年7月4日号の記事を転載しました。