中央ヨーロッパ・ハンガリーの首都、ブダペスト在住のフードライター・旅野きっこです。ブダペストに10年以上滞在し、その間ヨーロッパ各地でおいしいものとお酒を楽しみながら生活しています。陸続きのヨーロッパでは各地のおいしいグルメが出生の地以外でも楽しめるのですが、今回はそんなグルメの1つ、ヨーロッパで夏に多く食される「ギリシャ風サラダ」をご紹介します。

気温の高いヨーロッパの夏

ヨーロッパの夏。人々は1ヵ月ほどの長いヴァケーションを取り、避暑地で悠々と休みを楽しみます。冬の寒さ・暗さの厳しいこの地ではここぞとばかりに太陽の下で過ごすことが求められます。日本に比べて乾燥しているこの地の夏。でも気温はとても高いのに、クーラーのない家や店もたくさん。

そんな暑くてたまらない時はやはり身体を冷やしてくれる、冷たい食べ物を求めてしまいます。さっぱりしていて冷たく、疲れを取ってくれておいしいもの。「夏はビール」。というのは日本だけでなく、ヨーロッパの人々もそれは同じ。

今回ご紹介する「ギリシャ風サラダ」はビールと共に楽しめ、なおかつ暑い中で楽しめるグルメなのです。そしてまた、ハーブの香りでさらに食欲を刺激されるので、口馴染みもよく…。さて、そんな「ギリシャ風サラダ」は一体どのようなものなのでしょうか。

とても簡単!「ギリシャ風サラダ」を作ってみよう!

ギリシャのみならずヨーロッパ南部で多く作られるオリーブは、その土地の人々にとってなくてはならない食物。日本でいう納豆や梅干しのようなものでしょうか。健康にも良く、さらにおいしいオリーブは本当に広く摂取されています。

それからチーズもヨーロッパ全土で日常食として摂取されますが、ギリシャといえば「フェタチーズ」。このサラダはそんなオリーブとフェタチーズ、そして野菜、ハーブで作られます。

<用意するもの
・黒かグリーンのオリーブ
・フェタチーズ(スーパーで瓶詰めで売られています)
・きゅうり
・トマト
・みじん切りの玉ねぎ
・オリーブオイル
・ビネガー
・オレガノ(乾燥ハーブ)
・塩こしょう

玉ねぎ以外の食材を1〜2cm角に刻みます。みじん切りした玉ねぎは水にさらして辛みを抜いておきます。

刻んだ食材を混ぜ合わせたらオリーブオイル、オレガノ、塩こしょう、ビネガーを好みの量で回しかけ、そのまま冷蔵庫で冷やしてなじませるだけ。

フェタチーズは塩気が強く味も濃いので、好みに応じて日本で求めやすいプロセスチーズを代わりに使うのもおすすめです。

切って混ぜて和えるだけでおいしく健康に

とても簡単にできる「ギリシャ風サラダ」、おいしく作るにはいくつかポイントがあります。1つはオリーブオイル、味に深みとコクを出してくれるオリーブオイルは是非「エキストラヴァージン」をお使いください。南ヨーロッパのオリーブオイルは味がしっかりと濃く、香りも芳醇です。

またオリーブの実は黒とグリーンでテイストが異なります。黒い方が食べやすく、グリーンは塩気がかなり濃いものも。フェタチーズの塩気も強いので好みに応じて使い分けるのがよいでしょう。

またオレガノを入れることで風味が増しますが、クミンのパウダーをお好みで振り入れてもとても進みます。

ヨーロッパの食卓に欠かせないものといえば、オイル、ビネガーなど酢の類、そしてハーブやスパイスです。さまざまな種類があり、組み合わせたり料理によって使い分けることで、食材を幅広く楽しめるのです。

健康によく味も良いオイル、夏には特に疲労回復をしてくれるビネガー類、味の決め手となるハーブやスパイスは少しずつ集めて使用してみると、グンと味が決まりやすくなり、とてもおすすめ。

今回ご紹介した「ギリシャ風サラダ」も、広く食されているメインの調味料は上記の通りですが、ご家庭で楽しくスパイスやハーブをアレンジしてみるのも味の幅が広がって良いかもしれません。ぜひ一度、暑い夏にこのサラダをお試しください。