皆さん、はじめまして。SAKEコーディネーターの駒澤です。どうして「日本酒」ではなく「SAKE」と書いたかというと、私の会社は日本酒の輸出をしているからです。今や日本酒は日本だけで飲まれるものではなく、「SAKE」として世界中から高く評価されています。そこで今回は海外からの視点で、SAKEと一緒に楽しむ簡単なお料理をひとつご紹介しましょう。

ワイングラスでSAKEと料理を楽しむ

和食では酒のお供として定番のお刺身ですが、夏場はちょっと鮮度が気になるところ。そこでカルパッチョにしてしまいましょう!

ポイントは白身魚のお刺身とオリーブオイル、ハーブ、柑橘類を使うこと。味付けはシンプルに塩と胡椒で。香り豊かで食欲をそそります。合わせるお酒は、ほんのりフルーティーで優しい甘みのあるものを選びましょう。広島の「雨後の月」なんていいですね。

グラスはもちろんワイングラスで。ハーブや柑橘の爽やかな香りと白身魚の繊細な旨味をお酒の甘みが下支えして美味しさが引き立ちます。

暑い夏もこんな風に夕暮れ時を楽しんでみませんか?

フランス大使館のイベント。外国人でにぎわう日本酒ブース

世界で評価されるSAKE

日本酒は大きく分けると2種類に分類されます。ひとつは大手メーカーが機械で大量生産する日本酒。もうひとつは小規模な蔵が手づくりで醸す日本酒です。どちらが良いかはここでは議論を避けますが、私の会社は後者のみを扱っています。

こういうお酒を海外や大使館などのイベントで外国人に飲んでもらうと、必ずと言っていいほど「おいしい!!」と言っていただけるんですね。日本人としてとても誇りに思える嬉しい瞬間です。

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたように、日本酒も今世界中から注目されています。「オヤジくさい」とか「2日酔いしやすい」なんて言われたのは昔のこと。今やSAKEはファッショナブルで、ワインに匹敵するポテンシャルを持った嗜好品なのです。

最近は日本でもカジュアルな日本酒バルや、ワイングラスで日本酒を提供するお店などが増え、日本酒好きの女性も増えてきました。

日本酒は高い?

日本に住んでいる私たちは恵まれています。なぜなら美味しい日本酒がすぐ手に入り、しかもそれが安いからです。「いやいや日本酒は高いよ!」という声が聞こえてきそうなので、ちょっと計算してみましょう。

例えば、宮城県に「あたごのまつ 特別純米」というお酒があります。このお酒は2016年に日本一に輝きました。(SAKE COMPETITION 2016純米酒部門)小売価格は720ml(4合)瓶で税込1620円です。1合(180ml)あたりだと405円。アルコール度数は16%なので、アルコール1%あたりの価格は405÷16=約25円です。

SAKE COMPETITION 2016第1位の「あたごのまつ 特別純米」

ちなみにビールはスーパーで買うと1缶(350ml)税込210円ぐらいでしょうか。1合(180ml)あたりで計算すると約108円。アルコール度数は5%ですから、アルコール1%あたりの価格は約22円で、日本酒とほとんど変わりませんね。

では、この日本酒が海外に行ったらどうなるのでしょう? お酒代に業者のマージンが乗り、輸送費が乗り、倉庫代が乗り、関税や酒税などの税金が乗り・・・と、コストがどんどん膨らんでしまいます。

もちろん国によって異なりますが、私の経験上、平均すると日本の小売価格の2倍ぐらいの価格でレストランに入り、そこにレストランの利益が乗って、最終的には6倍ぐらいの価格でお客様に提供されます。先ほどの「あたごのまつ 特別純米」なら1万円近くになるということです。

それでも海外の人たちは日本酒、つまりSAKEを求めているのです。それだけ評価が高いんですね。それを日本だと6分の1の価格で買えるのです。これは買わない手はないですね!