「海里」の店名の由来は、「海のものと里(山)のものを盛り込んだバラエティー豊かなメニューを提供したい」という若林勇店主の思いにある。特に、店主のオリジナリティーあふれる創作メニューには定評があり、「海里」がある東京・赤羽の名物になっているものも。メニュー誕生の試行錯誤の場になっているのがまかないだ。「やみつきウロコふりかけ」もその一つ。
 

当初は、刺身の盛り合わせを注文したお客に、ウロコに粉を付けて揚げたものをサプライズで提供していた。それを砕いて干しエビ、ジャコ、塩昆布などを加えたのが「やみつきウロコのふりかけ」だ。

砕く前でも、ウロコとは気づかない。一口食べると、揚げているのでサクサクした食感と香ばしさがあるが、正体は不明。「魚のウロコ」と知ると意外性と発想のユニークさに驚く。

「長野県佐久市では千曲川の清流でコイを飼育していて、コイのウロコを揚げた『うろこ煎餅』という珍味があります。そこからヒントを得ました。さまざまな機会で見聞きしたことを自分の中の引き出しに入れておくと、メニューの考案中にその中からパッとひらめくものがあるんですね」。

まかないで評判になった「やみつきウロコふりかけ」は、瓶詰でテイクアウトでも提供している(60g・ 税込み500円)

●店舗情報
「海里(みさと)」
所在地=東京都北区赤羽1-41-16

◇外食レストラン新聞の2021年8月2日号の記事を転載しました。