冷凍食品最大手のニチレイフーズが8月中旬に行ったネットアンケート調査で、鶏唐揚げが国民食としての地位を築いていることが分かった。好きなおかずランキングトップをはじめ、巣ごもりによる家庭内の食事機会増大も追い風に、2020年度の総消費個数は前年比67%増に急拡大するとの推計値も発表している。

同社は、日本唐揚協会が毎年10月を「から揚げ強化月間」として活動していることに合わせ、全国47都道府県の一般消費者1万4056人を対象に、唐揚げに関する意識・実態調査を実施。

それによると、全29品のおかずから好きなものを選択してもらったところ、全体の72.4%が「唐揚げ」を選択し、1位となった。次いで「焼肉」71.7%、「ギョウザ」70.9%。また唐揚げを「好き」「やや好き」を合わせた回答者が87.4%にのぼり、国民食としての人気をうかがわせる。

月に1回以上、唐揚げを食べる人は全体の約80%で、喫食頻度は「冷凍食品」「手作り」「惣菜」がそれぞれ前年比約30%増と拡大。全国の唐揚げ消費個数を推計で算出したところ、2020年度は年間換算で約400億個以上の唐揚げが消費される見込みであることがわかった。

これは前年の消費量250億個(推計値)と比較して67%増となる。都道府県別の1ヵ月間に食べる個数は、多い順に「大分県(56.5個)」「千葉県(52.0個)」「北海道(51.8個)」だった。

さらに1世帯1回当たりの手作り時間の平均は34分32秒で、最長は大分県36分53秒、最短は鹿児島県26分0秒。同じ個数の冷凍唐揚げの調理時間と手作りの平均時間を比べると、約21分の差で冷凍食品が早いという。

◇日本食糧新聞の2020年10月14日号の記事を転載しました。