フランス北西部ノルマンディー地方在住のトラベルコーディネーター小川裕子です。こちらの学校は一足早く7月7日で終了し、9月4日の新学期まで長いバカンスシーズンになります。
ちょっと遠出の際はティータイムにおやつを準備、暑い夏なのでチョコレートやべたつくものではなくシンプルなお菓子「ビスケット」をいつも持参しています。私が愛用しているビスケットは「Biscuiterie de l’Abbaye-ビスキュイトゥリ ドゥ ラベイ」というメーカー。実は工場がノルマンディーにあります。工場&ブティックを見学してきましたのでご紹介しますね。

伝統の味を受け継ぐ 家族経営のビスケット会社

前回お伝えした洋梨酒「ポワレ街道」のあるDomfront (ドンフロン)市から10キロ、工場は緑豊かな牧草地に囲まれた中にあるLonlay l’abbaye (ロンレ・ラベイ)市にあります。人口1200人程度の小さな町なのですが、この土地でパン職人をされていたGeorges Lautour (ジョルジュ・ロトゥール)氏によって歴史が生まれます。時代は第二次世界大戦の頃でした。

戦後の1964年、Georges (ジョルジュ) 氏の息子Michel Lautour (ミッシェル・ロトゥール)氏、そして娘婿のMichel Lebaudy (ミッシェル・ルボディー)氏により、Biscuiterie de l’Abbayeとして会社が設立、ビスケットメーカーとして現在は9000平米の敷地内に230名ほどの社員が働いていらっしゃいます。

ビスケットの製造過程は?

さて、見学へ!
工場へ入る前に、まず現在の取扱商品の紹介から説明が始まります。「Tradition(トラディッション)」「Bio(ビオ)」「Petit Normand(プチ・ノルマン)」など10種類ほどのブランドがあり、そのうち海外への輸出ブランドは写真の一番左側「Pierre Biscuiterie (ピエール・ビスキュイトゥリ)」というブランドとのこと。輸出担当のベアトリスさんより「日本へも輸出していますよ」と教えて頂きました。

ピエール・ビスキュイトゥリの商品

可愛らしいパッケージを眺めながら工場での製造過程も見学させて頂きました。原料にもこだわりがありました。ノルマンディーは酪農地区でもあり乳製品も有名です。ビスケットに使われているバターは、A.O.P(産品の原産地を保証するヨーロッパの原産地保護呼称)の認証を取得しているノルマンディーの老舗メーカー・イズィニー社のものを使用しております。

ビスケット製造過程は下記の順に進んでいきます。

  1. 生地づくり(pétrissage)
  2. 成型(Moulage)
  3. 焼き(Cuisson)
  4. 包装(Empaquetage)
ビスケットの型
300℃で5分焼いた後、150℃に下げて焼き色をつけて行くそうです
梱包過程

見学の最後には試食もさせて頂けます。
以前は気にせずに食べておりましたが、工場見学後はバターの上品な香りと深いコクがより一層理解出来たような気がします。

簡単なアレンジでデザートに ポワレと共にどうぞ!

Biscuiterie de l’Abbayeさんより、こちらのビスケットを使った簡単なレシピを教えて頂きました。

【4名様分】

  1. 8枚のビスケットをまず砕きガラスカップに敷きます
  2. 200gのホワイトチョコレートを溶かした後に450gのフロマージュブロンを加え、滑らかになるまで混ぜます
  3. 最後に500gのフランボワーズをトッピングし、ホワイトチョコレートをかけたら出来上がり

頂いたレシピを元に、私も作ってみました。フランボワーズが無かったのでイチゴで代用してみましたが、ビスケットのサクサクとした口当たりの良い触感、イチゴの甘い香りと相性抜群でした。

前回ご紹介したポワレとともに、デザートで是非お楽しみくださいませ。

このBiscuiterie de l’Abbayeさんの商品はフランス各地のスーパーにもおいてあります。バニョル・ド・ロルヌにある直営店では、お好みの味を自分でチョイスしながらオリジナルプレゼントをパッケージできるコーナーがあったり、フランス土産に人気の缶入りビスケットもノルマンディーの風景が描かれたものや人気観光地「モンサンミッシェル」が載ったものなど種類豊富にあります。

ノルマンディーにお越しの際は是非お土産にどうぞ!

バニョル・ド・ロルヌ店
大人気のビスケットの缶 モンサンミッシェルはどちらの地方?→ノルマンディー地方にあります

<ご協力いただいた取材先>
Biscuiterie de l’Abbaye
住所Route du Val 61700 Lonlay l’Abbaye
電話Tél. +33(0)2.33.30.64.64