まぜて楽しむセルフ調理ポテサラ3選!焼肉店の新しい名物
多くの店で人気鉄板のメニューとして君臨しているポテサラ。ご飯のおかずにもよし、お酒のアテにもよしで、混ぜる具材次第で個性も演出できる。外食店の定番にして人気メニューであるこのポテサラに、最近新たな方向性が生まれているのだ。お客自らが混ぜ合わせて楽しむ「セルフ調理ポテサラ」である。有名チェーン店では「串カツ田中」などもこの方式でポテサラを提供し、人気を呼んでいる。
そこで、サイドメニューには特に力を入れている焼肉店の「セルフ調理ポテサラ」に今回、着目。中でも焼肉店の激戦区とされる岡山県の人気焼肉店における事例をピックアップした。
自分で作る温かポテサラ 麺棒で熱々をつぶし混ぜる
今年4月に新登場。子どもウケがよく、人気メニューに定着している。具材は、熱々のふかしジャガイモ(イタリア産小玉)、ゆで卵、牛タンスモークハム。マヨネーズと麺棒を別添えセットで提供。客は、麺棒で具材をつぶし混ぜ、マヨネーズと卓上調味料(塩・コショウ)を自分好みに合わせて調味する。
星博之店長は、「モノを味わい、コトを楽しむサイドメニューとして発案しました」と語り、「作っているのを見た周りのお客さまからも注文される波及効果がありますね」と説く。
●店舗情報
「和牛焼肉 牛八 倉敷店」 所在地=岡山県倉敷市西岡1170-1
石焼ポテトサラダ インスタ映えするシズル感
「焼肉ぐりぐり家」は、岡山県と広島県を主に23店舗を展開するカジュアル焼肉店。今年3月にメニュー化した「石焼ポテトサラダ」が早くもサイドメニューの名物に台頭している。
具材は、ジャガイモ、ベーコン、ブロッコリ、温泉卵、調味料はシーザーサラダドレッシング、黒コショウ。熱々の石焼き鍋にサラダ油を塗り、具材を盛り、調味料をかけて提供する。客は二つのスプーンで好みにつぶし混ぜ、固形感豊かな熱々のポテサラを味わう。
広報担当の竹森主税さんは、「シズル感ある石焼きは、インスタ映えを演出する創作料理に好適。とはいえ正直、これほど売れるとは思いませんでした」と明かす。
●店舗情報
「焼肉ぐりぐり家」 所在地=(本部)岡山市南区泉田1-3-10
セルフメードポテトサラダ 彩りよい見栄えが自慢
「東風」は1993年以来「千屋牛」を看板に掲げる高級焼肉店。岡山駅から3km弱の住宅街立地ながら客単価1万円以上のビジネス接待客を多数集めている。とはいえ半径2km内に17軒の焼肉店がひしめく競合地帯だけに、おごらず、他店の動向にも敏感だ。
他の焼肉店の例を参考に、「セルフメードポテトサラダ」を商品化した。具材はジャガイモ、ウインナー、ゆで卵、コーン、キュウリ、パプリカ。調味はマヨネーズと黒コショウを基本に好みの調味料を追加注文できる。
●店舗情報
「東風(コチ)」 所在地=岡山市北区西古松2-24-16
<ポテサラ研究レポート>ポテサラは40℃のジャガイモで味がキマる!
キユーピーと惣菜製造販売のデリア食品はこのほど、「ポテトサラダのおいしい作り方」を科学的に解明することに成功。研究成果を、日本調理科学会で共同発表した。
【試験方法】
ジャガイモの皮をむき、98℃で55分蒸し煮し、加熱直後の「70℃以上」、粗熱を取った「40℃」、冷蔵庫で冷やした「15℃以下」の三つの温度帯を用意。この三つのジャガイモそれぞれとキユーピーマヨネーズを混ぜ合わせ、味の一体感についての評価を行った。
◎70℃以上 マヨネーズの乳化粒子が粗大化
【官能評価】マヨネーズが染み込んでいるが、味が均一でジャガイモの風味がない。舌に重く感じ、油っこい。
◎40℃ マヨネーズの乳化粒子が微細なものと粗大化したものが混在
【官能評価】マヨネーズとジャガイモの両方の味をしっかり感じることができ、一体感がある。味にメリハリがある。
◎15℃以下 マヨネーズの乳化粒子が微細なまま分散
【官能評価】表面しか味が付いていない。ジャガイモとマヨネーズの一体感がない。重く感じ、油っこい。
<結論>
粗熱を取った「40℃」のジャガイモにキユーピーマヨネーズを混ぜ合わせたときが、味のメリハリがあり、おいしく仕上がることが分かった。
◇外食レストラン新聞の2019年12月2日号の記事を転載しました。
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