こんにちは。九州・福岡の管理栄養士、大山加奈恵です。先日、福岡市の料亭で、「100年時代の食事術」というテーマでお話をしてきました。100年時代って本当に来るの? という声が聞こえてきそうですが、「敬老の日」に発表されて100歳以上の人口は、7万1274人! ! そのうち、88.1%は女性が占めています。
日本最高齢の女性は福岡市在住の田中カ子(かね)さん116歳、そして世界最高齢でもあり、今年の3月にギネスに登録されました。同じ福岡市在住というのも、嬉しいものですね。
100年時代を楽しく生きるには、健康寿命を延ばすこと。健康寿命とは介護のいらない状態、自分のことが自分でできるという状態です。転倒から骨折、寝たきりになる割合は30%以上なので、筋肉や骨を強くするのがポイントです。今回は、骨を強くする意外な食材、高野豆腐のレシピをご紹介します。

高野豆腐のカルシウム含量はチーズと一緒!

今では高齢者向けが多くなりましたが、「骨を強くしよう!」とは、成長期の子どもから大人まで老若男女問わず、重要なテーマです。骨を強くする食材と言えば、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品を一番に思い浮かべますが、意外な食材と言えば高野豆腐なんですよ~。

高野豆腐の原料は、畑の肉と呼ばれる大豆。作り方はシンプルで、硬めの豆腐を作り凍結して、低温熟成(約3週間程度)して乾燥させます。スポンジ状の食感が独特の和食に使われる伝統食材ですね。だしをたっぷり含んだ高野豆腐を口の中で噛んだ時に出てくるジュワ―ッとした汁がたまらなくおいしい!

高野豆腐には骨を強くする栄養素、カルシウムの含有量も乳製品と同じくらい多いのです。
(カルシウム含有量 100gあたり)
・牛乳 110mg
・ヨーグルト 120mg
・プロセスチーズ 630mg
・高野豆腐 630mg

高野豆腐1食分(約20g)で126mgとれるので、一日に必要なカルシウム量(成長期の子どもは700~1000mg、成人600~800mg)の大きな補給源になります。

そして、転倒予防には骨以外に、筋肉を強くする必要があります。高野豆腐1食分(20g)には、たんぱく質が10gも含まれているので、献立に取り入れると筋肉の材料をたっぷり補給することができますよ。

高野豆腐は家にあるけど、和食以外に使うことがあまりないなぁ、子どもたちもあのパサパサしたのは苦手だしなぁ…などと思っていませんか? 切り方や大きさを工夫すれば、高野豆腐はおいしく食べられますよ。ぜひ一度作ってみましょう。

高野豆腐と野菜のスープ

【材料】(2人分)
高野豆腐 1個(17~20g)
さつまいも 2cm程度
玉ねぎ 1/4個
人参 1/4本
セロリ 1/4本
水 300ml
顆粒コンソメ 2g
黒こしょう 少々

【作り方】

  1. 高野豆腐は水につけて戻す。水気を絞り、薄い短冊切りに切る。
    ※ポイントは、薄く切ること。パサパサ感が感じられません。
  2. 玉ねぎは皮と芯を除き、1cm角に切る。人参とセロリは、5mm角に切る。
  3. 鍋に玉ねぎ・人参・セロリを入れて、弱火で炒める。玉ねぎが透き通ってきたら、水・顆粒コンソメを入れる。
  4. 野菜にある程度火が通ったら、(1)の高野豆腐を入れて、3分程度煮込んで、火を止める。器によそって、黒こしょうを振る。

高野豆腐衣のごぼうコロッケ

【材料】(2人分)
豚ロース肉 20g
人参 1/4本
玉ねぎ 1/4個
ごぼう 10cm程度
まいたけ 1/4パック
じゃがいも 1個
小麦粉 8g
溶き卵 1/2個
高野豆腐 1/2個(10g程度)
揚げ油 適量
●塩麹 6g
●めんつゆ(3倍濃縮) 8g
●レタス 2枚

【作り方】

  1. 人参は皮をむき、みじん切りにする。玉ねぎは皮と芯を除き、みじん切りにする。まいたけは粗みじん切りにする。ごぼうはささがきにして、水にさらす。じゃがいもは皮をむき、一口大にしてゆで、ボウルに入れてつぶす。豚ロース肉は粗みじんに切る。
  2. 高野豆腐はおろし金ですりおろしておく。
  3. テフロンのフライパンにごぼうを入れ弱火でしんなりするまで炒める。豚肉・人参・玉ねぎ・まいたけを加えてさらに炒める。火が通ったら、塩こうじ・めんつゆを入れて、全体を混ぜる。
  4. (1)のじゃがいもに、(3)を加えて全体をよく混ぜる。タネを4つに分けて、小判型に成型する。
  5. (4)の全体に小麦粉をまぶし、溶き卵をつけて、おろした高野豆腐をまぶす。
  6. 170℃の油で(4)を揚げる。皿にコロッケを盛付け、レタスを添える。