進化するユニークな「サバ」メニュー
豊富な栄養価から近年注目を集めているサバ。専門の飲食店も増加中だが、7年前からサバに着目し、独自のメニュー開発で集客数を伸ばしているのが、大阪にある「寿司バール バッテラロック」だ。まだまだ進化中のアイデアメニューを取材した。
大阪発祥の箱寿司「バッテラ」
「サバ寿司とバッテラは違うもの。大阪寿司であるバッテラを提供したくて、店をオープンしました」と岡田宣行店主。サバ寿司は巻いて作るが、バッテラは、酢で締めたサバと寿司飯を型に入れて押して作る“箱寿司”で、大阪発祥の食べ物である。
関西では身近な食べ物だが、スーパーなどで見かけるのは、貧弱なサバの身を用いている商品がほとんど。「おいしいバッテラに出合えないなら、自分で作ろう」と、肉厚で納得できる味を目指したという。使用するサバは、和歌山産を基本に、納得できる厚みや大きさのものを仕入れている。
看板メニューの「バッテラ」は、ポピュラーな「そのまま」と表面を炙った「炙り」を用意。「ハーフ&ハーフ」もあり、しっとり感と香ばしさの両方が楽しめると好評だ。バッテラが評判を呼び店が定着するとともに、その他のサバメニューもどんどん増加。現在では、定番の料理からユニークなメニューまで、18種類を提供している。
中でも、「バッテラは食べたいが、ご飯は避けたい」という女性のニーズに応えて考案したのが、バッテラをアテ的に変身させた「ガリ紫蘇しめ鯖巻き」。しめサバとショウガ、オオバを海苔巻きにした、見た目も美しい一品だ。
また、一般的なメニューをサバでアレンジする場合は、苦労も多い。今夏に向けて開発した「鯖のぎょうざ」(486円)は、2年前から挑戦してきたもの。具材では、ミンチ肉の代わりに、塩をしてボイルしたサバを活用するが、キャベツや白菜などと合わせると水分が多くなってしまう。試行錯誤の末、キムチを絞って活用することで難題をクリアしたという。
人気上昇中!新メニュー「鯖の麻婆豆腐」
このギョウザ開発の流れから生まれたのが、5月からの新メニュー「鯖の麻婆豆腐」。ギョウザと同じ調理法でサバをミンチ肉として活用し、豆腐は大きめのさいの目にカットして、油で軽く焼きを入れる。しっかりした豆腐の食感とサバの風味が、サンショウが利いた四川風の辛さと絶妙にマッチ。今までにない麻婆豆腐として、ギョウザとともに人気上昇中だ。
「“鯖サミット”などのイベントには何万人も集まりますし、サバ好きな人は多く、料理へのニーズも高い。今後もおいしいサバ料理をアピールしながら、来店を促していきたい」と岡田さんは抱負を語る。
「寿司バール バッテラロック」
所在地=大阪市西区新町1-20-16
開業=2011年12月
坪数・席数=20坪・40席
営業時間=17時~翌1時。日曜・祝日定休
平均客単価=2500円
1日平均集客数=20~40人
◇外食レストラン新聞2018年9月3日号の記事を転載しました。
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