ギリシャのヒオス島でしか採れない神秘の天然樹脂、マスティハのPRイベントが6日、東京・渋谷のクオーツギャラリーで開催された。マスティハ生産者組合がEUとギリシャ政府の支援を受けて開催したもので、ルカス・カラツォリス駐日ギリシャ大使同席の下に行われた。

カラツォリス大使は、「マスティハは、エーゲ海の東の端にあるヒオス島で、しかも島の南の一部の地域でしか採取されない不思議な樹脂である。ヨーロッパでは古くから健康と美容、特に口腔衛生に関する卓越した効果で知られている。現在日本では、マスティハを輸入・販売している会社は1社のみであるが、これをもっと増やしていきたいと考えている」と語った。

マスティハは、世界初のチューインガムとして記録されており、古くから胃腸薬としても重宝されてきた。1997年にはEUのPDOとして登録され、木の栽培に関するノウハウは2014年にユネスコの無形文化遺産に登録された。

マスティハ生産者組合は、古くから伝承されてきているマスティハの効能を科学的に証明するための研究を続けている。今では多くの研究結果が発表され、医薬効果の高さが立証されている。

主な薬効は、抗菌物質、抗炎症作用、抗酸化物質、創傷治癒および皮膚再生、消化作用、口腔衛生の維持–など。中でも、最も期待されているのが口腔衛生とピロリ菌抑制、がん予防への影響である。結晶のまま使用することも、粉末として使用することもでき、その使い方は、食品、ガム、口腔衛生商品、医薬品化粧品など多岐にわたる。独特の甘い香りで、スイーツや、カクテルなどにも使用されている。

マスティハ生産者組合は10年ほど前には何度も来日しイベントを開催していた。今回は米国や韓国などでのヒットの実績を持って来日し、「欧州PDO製品:貴重なしずく」キャンペーンを展開している。参加したメディアや業界関係者らが大いに興味を持った様子に、主催者は日本市場への手応えを感じていた。

◇日本食糧新聞の2017年4月24日号の記事を転載しました。