虹のようにきれいなポケ丼…多様な食べ方がNYで注目
昨年、いきなり始まったポケ人気。ポケとは、元はといえば、新鮮な魚をマリネしたハワイのローカル料理。人気は、ロサンゼルスからニューヨークに移り、さらにマイアミ、シカゴなど全米各地の大都市に広まっている。1年前はポケとは何かを知らなかったニューヨーカーも、すでに寿司で慣れていたために、ポケも難なく受け入れ、次から次へとオープンしたポケレストランに押しかけている。
そんな中、オープンした「イート・ビレッジ」。ご飯にのせる典型だけでなく、ズッキーニのヌードル、サラダ、ブリトーという四つのチョイスを提供、他のポケ専門店と一線を画して、注目を浴びている。
全米で大はやりのポケ ご飯の替わりに野菜ベースも
オーナーの一人、チャン・ウォン・ソーさんは、大学生の娘さんから、ポケが大はやりということを聞いて関心を持ち、さっそくロサンゼルスに飛んで、ポケの店を見て回ったという。そこで取り入れたのが、ライス以外にもベースの選択肢を広げるアイデア。
同店では、白米、玄米、サラダ、ズッキーニのヌードル、キノア(1$追加)の五つの選択肢がある。日本人にとっては、ご飯の替わりに野菜の上にトッピングをのせた海鮮丼というのは、違和感があるかもしれないが、シーフード・サラダといった感覚で、なかなかおいしい。
同店のお薦めポケ丼は、「柚子(ゆず)マグロ(マグロ、キュウリ、ネギ、枝豆、ポケビレッジ・ソース)」「ブレージング・サーモン(サケ、ネギ、赤玉ネギ、キュウリ、ヒカマ、ごま、シラーチャアイオリ・ソース)」「テイスト・オブ・トロピックス(エビ、ホタテ貝、マンゴー、キュウリ、ヒカマ、ごま、スイートチリ・ソース)」「豆腐アイランド(豆腐、キュウリ、枝豆、ケール、ごま、うま味醤油)」の4種。
6段階の選択で自分だけのマイポケを
ポケ上級者は、自分で選択してマイポケを作ることができる。その場合は、6段階の選択をしていく。
1.まずは、ベースを一つ選ぶ
(1)白米、玄米 もしくはキノア(1$追加)
(2)ポケ・ブリトー(白米+海苔)※太巻きのこと
(3)ポケ・サラダ(スプリングミックス、湯がいたケール、ロメインレタス)
(4)ズッキーニのヌードル
2.タンパク質を選ぶ
マグロ、ビンナガマグロ、サケ、エビ、ホタテ貝、鶏肉、豆腐、焼いたウナギの中から、2種選べば10$50¢、3種類選べば12$50¢
3.混ぜ入れるものを選ぶ(全部でもよい)
キュウリ、枝豆、コリアンダー、マンゴー、赤玉ネギ、ヒカマ、湯がいたケール、ヒジキ
4.フレーバーを選ぶ
ポケビレッジ・ソース、シラーチャアイオリ・ソース、ワサビアイオリ・ソース、シトラスポン酢、うま味醤油、スイートチリ・ソース、テリヤキ・ソース、コチュジャン
5.トッピングを選ぶ
マサゴ、ネギ、ショウガ、ワサビ、海藻サラダ(1$50¢追加)、カニサラダ(1$50¢追加)、アボカド(1$50¢追加)
6.クランチ(パリパリと歯応えのいいもの)を選ぶ
天かす、ふりかけ、揚げたレンコン、トーストしたライス・パフ(米のポン菓子)、玉ネギのクリスプ、ローストした海藻、ごま、マカダミアンナッツ(1$追加)
この六つの手順に沿って選んでいけば、究極のマイポケができるという仕組みだ。
ポケを中心にラーメンや韓国の丼物も
同店では、ポケを中心にメニュー展開しているが、他に、ラーメンや韓国風のフライドチキン、韓国の丼物なども用意している。他の選択肢があればそれだけ客の誘因力になると考えたからだという。
また、ポケを店のシグナチャーメニューに据えたのは、ヘルシーな料理を選びたかったが、寿司はすでに飽和状態であまりにたくさんの店があり、競争が激しいので、寿司を選ばずに、今人気のポケにしたという。メニューは、常にポケを中心にしながら、徐々に変えていくという。
それにしても、このポケ人気。どちらかといえば、寿司から派生したものと捉えられているようだが、寿司以上にオリジナル性を発揮できるフレキシビリティーが人気の理由の一つでもあるようだ。ポケに使う材料は、幅広い上に、マリネに使うソースは店の味を出せる決め手になる。
同店では、8種類のソースを用意しているが、シグナチャーのポケビレッジ・ソースは、柚子の香りがする絶妙なマリネソースだ。見た目も、虹のようにきれいだし、野菜もたっぷり取れる。上に振りかけた天かすや揚げレンコンなどのパリパリした食感が楽しい。
ダイエットしている人には、同店では、サラダやズッキーニ・スパゲティを選ぶこともできる。ポケ人気は、これから日本にも波及していくかもしれない。
◆人気メニューベスト5
「柚子マグロのポケ丼」(11$)
「サケのポケ丼」(11$)
「オーラーメン(スパイシーなコリアン風)」(11$)
「カルビ丼」(12$)
「コリアン風フライドチキン」(10$~25$)
●事業データ
イートビレッジ(EatVillage)/所在地=250East 14th Street New York NY/開業日=2016年12月/営業時間=月~木 午前11時30分~午後11時、金 午前11時30分~午後11時30分、土 正午~午後11時30分、日 正午~午後10時/客席数=30席/平均客単価=20$
◇外食レストラン新聞の2017年4月3日号の記事を転載しました。
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