生まれも育ちも福井県福井市のたべぷろ編集部員・福野美穂です。福井県は敦賀より北を嶺北地方、敦賀を含め南を嶺南地方と呼びます。福井市は嶺北地方です。福井県は敷地面積の小さな県ですが、嶺北と嶺南では言葉も文化も風習もかなり違います。今回は主に嶺北地方で食べられている「打豆」をご紹介します。

大豆をつぶして乾燥させた打豆

打豆という食品名を初めて聞いた方も多いと思います。打豆とは、大豆を石臼でつぶし乾燥させたもので、福井の伝統的な保存食品です。

昔は各家庭で大豆をつぶして打豆そのものを作っていたそうですが、現在は家庭で打豆を作ることはほとんどなく、スーパーなどで市販されています。また、インターネットで通販もされています。

乾燥した食品なので、ご自宅で常温で保存がききます。つぶして平べったくしているので、調理時間は短く、煮込み時間は約10分程度。買い物に行けないとき、短時間で料理を作りたいときに非常に役に立つ食品です。

つぶしてあり凹凸があるので、味が染みやすく食感も独特でコクがあります。大豆そのものの栄養価も失われていません。

ちょっと1品足りないときに、さっと作れます

打豆は福井の伝統的な食材ですので、やはりよく食べられるのは和食。煮物や酢の物、お味噌汁などに入れます。最近ではスープやカレーに入れるなどのアレンジもされています。

打豆とひじき、人参、薄揚げの煮物

ちょっと1品足りないというときに、さっと作れます。ひじきも乾物なので、常備しているご家庭も多いと思います。また、最近のブーム、つくりおきのおかずにも向いています。

人参と薄揚げで時短メニューができました。もちろんお肉やちくわ、他の根菜やこんにゃくなどを入れて具だくさんのひじきの煮物もおいしいですね。機会があったら、ぜひ打豆入りのひじきの煮物を召し上がってみてください。

打豆のお味噌汁

打豆もお味噌も原材料は大豆。とても相性がよく、お味噌汁の味がまろやかになります。

今回は、大根と薄揚げ、打豆といったシンプルなお味噌汁にしました。薄揚げも大豆製品。大豆からできた3つの食品の味、食感の違いが楽しめるお味噌汁です。

打豆のキャラメルチキン

打豆の袋に書いてあったレシピに添って作ってみました。なんと、ミルクキャラメルを調味料として使った煮物です。この料理の調味料は醤油とミルクキャラメルだけのシンプルさ。

どんな味になるのか想像がつかなかったのですが、マイルドな甘味で醤油とうまく味がマッチして自然でとてもおいしく、子どもから大人まで好みそうな味だなと思いました。

打豆は主役になる食材ではありませんが、食べるとなぜかホッとする、そんな食材です。子どもからご高齢の方まで安心して食べられる打豆。地元民として大切にしていきたいと思います。皆さんも機会がありましたら、是非食べてみてくださいね。