フランスの洞穴レストランで素朴なパン料理「フワス」を堪能
フランス北西部ノルマンディー地方在住のトラベルコーディネーター小川裕子です。長かった2ヵ月の夏休みも終わりに向けてカウントダウンに入ってきました。今年はノルマンディー地方から南下し、2000年からユネスコ世界遺産にも登録されている「ロワール渓谷」へ行って参りました。
800平方kmという広大なロワール渓谷には、フランス王家の城や要塞など100以上ものお城が点在しています。今回は西の方にあるソミュール市(Saumur)と、その近郊ロシュムニエ市(Rochemenier)にある洞穴住居地区で、郷土料理であるパン「フワス(Fouace)」を楽しんで来ましたのでご紹介させていただきますね。
農民たちが家畜と暮らしていた洞穴住居「トログロディット」
まずは、「トログロディット(Troglodyte)」と呼ばれる「洞穴住居」についてご紹介します。
ロワール渓谷に点在するお城には、「トゥフォ(Tuffeau)」という石灰岩が使われています。石を採掘した跡にできる洞穴は、お城を建てるために働いていた農民たちが住居として、家畜と共に暮らしていた場所でもあります。ロシュムニエ市(Rochemenier)も、その洞穴住居「トログロディット」が残っている地区です。
共同生活をしていた農民たちは、かまどの火の温度を確認するためにパンの切れ端をかまどに入れてチェックしていたようなのですが、そこから生まれたのが素朴なパン料理「フワス」。どんなお料理なのか、レストランの中へご案内しますね。
ロワール地方の郷土料理「フワス」とは?
レストランの中はまるで迷路のよう! 大小さまざまな大きさの洞穴にテーブルがセッティングされていて、照明はロウソクの明かりだけです。日が暮れてくると若干暗めですが、幻想的な空間でした。
ここのレストランのメニューは1種類のみで、以下の順に出てきます。
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1.食前酒 : この地区名産の甘口白ワイン「コトー・デュ・レイヨン」
2.キノコのフワス
3.アンジュー産 豚肉のリエットのフワス
4.白いんげん豆とリヨー(豚肉をラードで煮た豚の角煮のようなもの。名物料理)のフワス
—トログロディット見学
5.チーズ&サラダ
6.デザート
上記に飲み物、赤ワインがフルボトルでついて、お値段は大人1名25€ (2017年8月現在)。
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フワスは「小麦粉、お水、お塩、イーストのみ」の、とてもシンプルなパンでした。
大きさは15cmほどで、このパンの中に具材を挟み込んで食べるのが特徴。小型サンドイッチのような感じかな、なんて思いました。
最初のキノコのフワスだけは具材の入ったものが出てくるのですが、その後は自分の好みの量をパンに挟んで入れられるように、パンと具材が別々に出てきます。パンは焼き立てがどんどん運ばれてきて、おかわり自由。出来立てアツアツのものを食べられます。
郷土料理を楽しみつつ、本物の洞穴ステイに感動!
今回郷土料理を楽しませていただいたのは、ロシュムニエ市(Rochemenier)にある「Les Caves de la Genevraie」です。ご家族で経営されているアットホームなレストランでした。
洞穴の中での食事はタイムスリップしたような気分。デザート前に、洞穴散策やパンを焼いているかまどの見学ができるのも魅力の一つです。
2014年には、敷地内にホテルもオープンしています。私も今回泊まってみたのですが 造り物でない本物の洞穴滞在は感動の体験でした。次回は、旅で発見したキノコをご紹介させていただきますね。
取材先:Les Caves de la Genevraie
住所:13 rue du musée 49700 Louresse Rochemenier
連絡先:contact@rocaminori-hotel.fr
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