ノルマンディーの森でキノコ狩り…ミシュラン1つ星シェフによる「キノコのケーキ」
フランス北西部ノルマンディー地方在住のトラベルコーディネーター小川裕子です。夏休みも後半に入り、過ごしやすい気候が続いているノルマンディーです。近隣ヨーロッパ諸国からの観光客が多いノルマンディーでは、フランス語でない言語があちらこちらから聞こえてきます。
先日お仕事で立ち寄ったバニョル・ド・ロルヌ市(Bagnoles de l’Orne)にあるホテルレストラン・オガヨ(Ô Gayot)で、観光客に人気の「キノコのケーキ」の話を伺ってきましたので紹介させていただきますね。
1600種ものキノコが生息しているノルマンディーの森
バニョル・ド・ロルヌ市は、ノルマンディー・メーヌ地方自然公園の中心部に位置し、周りをアンデーヌと呼ばれる森に囲まれています。この森の40%は広葉樹(ブナ・コナラ・カバノキなど)、そして60%が針葉樹(ヨーロッパアカマツ、マツ科、モミの木など)が植えられており、木々と共生して多種多様なキノコが生息しています。
そのキノコの種類、なんと1600種ほどもあると言われており、ジロール茸、セップ茸、クロラッパ茸などが主なものだそうです。
クロラッパ茸―フランス語ではLa trompette de la mort(ラ・トランペット・ド・ラ・モール)日本語に直訳すると「死のトランペット」。なんだかちょっと不気味な名前で最初に聞いた時はびっくりしましたが、黒色のトランペットみたいな形をしているところから付けられたようです。
今回はこのクロラッパ茸を使った「キノコのケーキ」のご紹介です。
ミシュラン1つ星のシェフによる創作ケーキ
こちらのケーキのプロデュースはバニョル・ド・ロルヌ市で1998年からミシュラン1つ星を保持しているレストラン「Le Manoir du Lys」(ル・マノワール・デュ・リス)のシェフ「Franck Quinton氏」(フランク・カントン氏)。
セカンド店オガヨのオープン時に「旅行客の方が旅先で食べられるように」と創作されたもので、この土地の名産キノコ(トランペット・ド・ラ・モール)とドライフルーツ、ポモーというりんごのお酒が入っているようです。
オガヨは2007年にオープンしたビストロ風のレストランです。フランク氏の妹のステファニーさんが経営されているホテルレストランで、彼女はLe Manoir du Lysの広報も兼任なさっています。
「みんなが和気あいあいと楽しめるような場、どこからでも入れて、お店も併設していて、さらに味見とかもできるような場所がある。そんなビストロ&ブティックをコンセプトに作ったのよ」とおっしゃる通り、おしゃれなテラスやカウンターバーもあり、開放的な空間が心地よくてついつい立ち寄ってしまう場所です。
ケーキのお味は?
キノコが細かく刻まれているのと、中に入っているドライフルーツの香りも合わさり、甘さを感じる味わいでした。キノコが入っているとは思えないようなケーキですが、歯ごたえがあるキノコなので食感がいいです。
オガヨのブティックでは丸ごとホールで売っているので「食べきれないわ」と思われるかもしれませんが、常温で15日間もつので、長期滞在者の多いバニョル・ド・ロルヌでは一週間にだいたい15個くらい売れるそうです。お値段は1個13ユーロ。
ブティックには食肉加工品もたくさん。スペイン産のイベリコ豚、シェフ自家製のジャム各種、ノルマンディー産スモークサーモン、秋はアンデーヌの森でとれた新鮮なキノコも豊富に売られています。
今回はバニョル・ド・ロルヌ在住の特派員記者Mr. SCHEIDECKER Alainさんにもお話を伺いました。「バニョル・ド・ロルヌは春夏秋冬で違った顔があり、夏場はマルシェも出るのでとても活気づいた街です。街が森で囲まれていることもあり、秋のキノコ狩りは気軽に楽しめるイベントの一つ、ぜひ旬の味覚を楽しみに、この秋いらしてくださいね」とのことでした。
9月末~11月はシェフと共にキノコ狩りツアーやキノコ狩り&キノコ料理レッスンなどが行われており、その中にはこのオガヨのラグジュアリーな空間でシェフと朝カフェなどのオリジナリティーあふれるプログラムもあります。
ヘルシーな健康食でもあるキノコ。ノルマンディーの一流シェフとの楽しい時間を過ごしに、ぜひお立ち寄りくださいませ。
<取材先>
Ô Gayot
2 avenue de la Ferté Macé – 61140 Bagnoles de l’Orne
Tél. : 02 33 38 44 01
<写真協力>
バニョル・ド・ロルヌ特派員記者 Mr. SCHEIDECKER Alain
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