焼き鳥をチーズにディップ!和洋の融合でうま味を増幅
焼き鳥は子どもからシニアまで全世代に親しまれ、食事のおかずにも酒のツマミにもなる万能選手。他方、価格帯の差はあっても業態のバラエティーに乏しく差別化しづらい一面がある。そこに自分なりのオリジナリティーを追求して若い世代に高い支持を得ているのが「焼鳥 MOZU」の「焼鳥フォンデュ」だ。
「導入したのはオープンして2年ほど経った頃。ターゲット客層である20~30代の男女に刺さるオリジナル商品を作ろうと考え、当時ブームとなっていたチーズ料理をヒントに焼き鳥と相性がいいチーズフォンデュを組み合わせることにしました」とオーナーのToshiさんは語る。その狙いは見事に当たり、新規客の8割が同品目当てに来店する女性のグループ客という。
構想から商品化まで2ヵ月ほどかけて、完成度を高めたそうだ。試行錯誤を繰り返したのは、洋食であるチーズフォンデュと和食である焼き鳥の味のバランス調整で、鰹だしなどを隠し味に使うことで和の味わいを強めた。また焼き鳥にしっかりと絡まる粘度にもこだわった。
食べてみるとチーズが焼き鳥のうま味を増幅させてくれ、また後味もすっきりしていてクセになる。焼き鳥はもともと串焼きされているので、チーズを絡めるストレスもゼロだ。つくねや鶏ももはもちろんのこと、砂肝などとも合う。もちろんミニトマトやアスパラといった野菜串焼きとの相性は抜群だ。
「チーズフォンデュだけでも酒のツマミになる味を目指しました。フライドポテトに付けて食べるお客さまや、チャーハンにかけて食べるお客さまがいるなど、思い思いの工夫でオリジナルな楽しみ方をしていただいています」とToshiさんは自信を深める。
そもそも焼き鳥のクオリティーが高い。老舗焼き鳥店での修業経験を生かし、新鮮な鶏肉を仕入れて炭火で丁寧に焼き上げている。炭火の香ばしさと、レア気味に仕上がった味わいは、アレンジを加えてもしっかりと肉のうま味を伝えてくれるのだ。
同店の主客層である若者客にはチェーン店の焼き鳥しか経験したことがない者も多く、熟練職人による本格焼き鳥の味に魅了されてリピーターになるという。「『焼鳥フォンデュ』で新規客を呼び込みつつ、焼き鳥のクオリティーでファンになっていただく好循環になった」とToshiさんは満足そうだ。
●店舗情報
「焼鳥MOZU」
所在地=東京都豊島区西池袋3-30-2 フェリース西池袋2階/開業=2016年6月/坪数・席数=13坪・28席/営業時間=17時~翌1時。無休/平均客単価=3500円
◇外食レストラン新聞の2022年6月6日号の記事を転載しました。
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