ワインとチーズの資格を持つ、フードライター鍋谷萌子です。ワインと相性のよい食べ物としてよく知られている「チーズ」ですが、「どのようにして合わせたらいいかわからない」「どんな食べ方をすればよいかわからない」と悩む人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、この2つの合わせ方の基本と、おいしい食べ方についてご紹介していきます。

<基本1>味で合わせる

ワインとチーズの合わせ方の基本として、「味で選ぶ」というものがあります。

白ワインで、特に味わいが軽いものの場合、ハードやセミハード、あるいはフレッシュタイプのチーズと相性が良いと言えます。特に酸味を感じるものはフレッシュタイプのものと相性がよく、お互いを引き立たせ合い、爽やかに食べさせてくれることでしょう。

ハードやセミハードチーズはそのままスライスして食べるのが基本ではありますが、ナッツなどとあわせてもおいしく食べることができます。フレッシュタイプのチーズは、味わい自体はそれほど強いものではありません。

そのため、そのまま食べるのも良いのですが、バジルやトマト、あるいはアボカドといった野菜類と合わせると、さらに食べやすく、またワインを味わいやすくなります。

白カビタイプは、優雅な赤ワイン、あるいは少し主張がある白と合わせるとよいでしょう。特に、カマンベールチーズなどは好き嫌いがなく、合わせやすいものです。生ハムなどの軽いシャルキュトリ、あるいはいちじく(生でも良い)などと合わせると、お互いの味をさらに引き立たせます。

青カビは、野性的な赤ワインと相性が良いチーズです。ただ、この塩気の強いチーズに、あえて貴腐ワインを合わせるという手もあります。青カビはそのまま少量ずつ食べることをおすすめしますが、ハチミツなどとあわせてもよいでしょう。

非常に強い香りを持つウォッシュや、個性的な味わいを誇るシェーブルは、濃厚で、深い味わいの赤ワインがぴったりです。ただこれらのチーズは選び方が非常に難しいので、選ぶ際には専門家のアドバイスをうけるとよいでしょう。

<基本2>産地で合わせる

ワインとチーズの合わせ方を考えるときに、もう一つおすすめなのが、「産地で合わせる」というものです。イタリアのワインならばイタリアのチーズ、フランスのワインならばフランスのチーズ……といった具合です。

フランスやイタリア、スペインなどは、特に産地が細かく分けられて表記されることが多いので、「同じ国、同じ地域」のなかで選ぶようにすると、さらに合わせやすいでしょう。これらはいわゆる「失敗」がほとんどなく、どんなワインにも適応される合わせ方です。

この合わせ方の場合でも、最初はチーズとワインだけで楽しむとよいでしょう。ただ、味に飽きてきたり、少し物足りないなと思ったりしたのであれば、上でも述べたように、「料理」というかたちで作り変えても構いません。

「飲んだ後にまた動きたくはない」と考えるのであれば、粒コショウやハチミツ、バジルなどを手元においておき、都度かける……というだけでも、十分においしく楽しむことができます。

産地や味わいで選ぶ、ワインとチーズのマリアージュ。ぜひ楽しんでくださいね。