健康と美の源は、腸内環境にあるとも言われています。腸を整える食事を通して、きれいと幸せをつくる専門家「インナービューティープランナー」として活躍するみなさんに、腸内環境の改善につながる食べ方や野菜の取り方、さらにオススメの冬野菜についても教えていただきました。

鮭のごちそうサラダ

【材料】(2人分)
鮭(刺身用、薄切り) 200g
アボカド(半分に切り、種を取って薄切り) 1個
赤パプリカ(角切り) 1/2個
スプラウト ひとつかみ

A みそ 大さじ1・1/2
A 酒・レモン果汁 各大さじ1
A しょうゆ 小さじ1
A にんにく(すりおろし) 1かけ
A 黒こしょう 少々

亜麻仁油 適量

【作り方】

  1. Aを混ぜ合わせておく。
  2. 鮭を食べやすい大きさに切り、Aにつけ込む。
  3. 器に(2)、アボカドを交互に盛ってパプリカ、スプラウトをのせ、亜麻仁油をかける。

谷口あゆこさん
管理栄養士。「ヘルシーだけど家族みんなが満足できる出張料理」と「継続しやすく、美味しく、楽しく続けられる料理教室」を主宰。

「ウォータースチーム」という手法でつくるほうれん草の蒸し煮が冬の定番です

腸を整える食事を取り入れるようになってから、イライラしたり落ち込んだりすることが減って、私自身が一番変化を感じています。腸では、幸福を感じる物質「セロトニン」がつくられていると言われ、腸をきれいにすることで、より分泌されて、心も整っていくからだと思います。セロトニンの原材料となるのは、必須アミノ酸の一種「トリプトファン」。肉、魚、大豆、乳製品などのたんぱく源に含まれているので、日頃から意識して取るようにしています。

女性に食べて欲しいと思って考案したのが「鮭のごちそうサラダ」。私自身もそうですが、鮭とアボカドの組み合わせって女性は好きですよね。抗酸化食材の鮭とスプラウトを使っているので、アンチエイジングを叶えるレシピです。抗酸化食材は生で取った方がより効果的なので、鮭を加熱していないのもポイント。また、アボカドとパプリカを使うことでビタミンA・C・Eも取ることができます。

冬野菜の中で、特によく使うのはほうれん草です。家族みんなが大好きで、子どもたちに「今日はほうれん草だよ」と言うと、「やったー」と喜ぶほど(笑)。定番メニューは、ほうれん草の蒸し煮。フライパンで、少量の水とひとつまみの塩をふりかけ、フタをして弱火でコトコト加熱する「ウォータースチーム」という方法でつくります。味つけは、かつおぶしを加えたり、コーンと塩麹であえたりと、シンプルなのが好きですね。同じ要領で、一つの鍋に何種類かの野菜を分けて入れ、一度に蒸し煮にする「ブロックスチーム」もおすすめです。簡単にできますし、なんといっても野菜のおいしさが引き立ちます。

甘酒キャロットラぺ

【材料】(2人分)
にんじん(せん切り) 1/2本
くるみ(粗みじん切り) 10g

A 甘酒 大さじ1
A りんご酢・粒マスタード 各小さじ1
A にんにく 1/4かけ
A 塩・こしょう 各適量

【作り方】

  1. にんじんは塩(分量外)をふり、しんなりしたら水をきり、Aとあえる。
  2. (1)とくるみをあえる。

御手洗ひろ子さん
管理栄養士、美腸マイスター、麹クリエイター。食事カウンセリング発酵美腸ごはんサロン「Natural」を主宰。

万能な発酵調味料「塩麹」ごま油と合わせれば中華風の味つけに!

麹のレッスンをきっかけに腸の大切さを知り、腸内環境を整える料理について学ぶようになりました。それもあって、私のイチオシ調味料は塩麹です。塩味だけでなく、肉や魚のうま味を引き出したり、さらに組み合わせによっていろいろな調味料としても活用できます。例えば、ごま油と合わせると中華風の味つけになりますし、バターを加えるとコクのあるコンソメスープの味わいに。うま味は塩麹で出るので、風味を考えて合わせていくのがコツです。市販の塩麹でかまわないので、味を楽しみながら、ぜひ試していただければと思います。もちろん、腸活にも役立ちます。

昔ながらの洋風メニューを麹を使った調味料でアレンジすることも多く、その一つが「甘酒キャロットラペ」です。腸内環境の働きを活性化させるために、砂糖ではなく甘酒を使用。深みのあるやさしい味わいも特徴です。冷蔵庫で2~3日保存できるので常備菜になり、お弁当のおかずにもぴったりです。

根菜が好きなこともあり、これからの季節はごぼうを使った料理をよくつくります。食物繊維が豊富で、香りもアクセントになりますよね。我が家の定番けんちん汁には、ごぼう、大根、にんじんと根菜がたっぷり。腹持ちがよく、しょうがをプラスすることで、身体もぽかぽかに温まります。

れんこんのふわふわポタージュ

【材料】(2人分)
たまねぎ(みじん切り) 100g
れんこん(すりおろし) 70g
ベジブロス 150ml
豆乳 100ml
みそ(分量外の豆乳小さじ2で溶く) 小さじ1・1/2
塩麹 小さじ1
ブロッコリースプラウト 適量
黒こしょう お好みで

【作り方】
〔下準備〕
ベジブロスをつくる。鍋に野菜の皮、種、芯などを入れ、かぶるくらいの水(800ml 程度)を加えてフタをし、弱火で約20分煮込んだら、ザルとボウルでこす。

  1. 鍋に水大さじ2(分量外)、たまねぎ、れんこんを入れ、塩ひとつまみ(分量外)を加えてフタをし、たまねぎが透明になるまで弱火で蒸し煮にする。
  2. 火を止めてベジブロスと豆乳50mlを加え、ブレンダーでなめらかになるまで攪拌する。
  3. 残りの豆乳と溶いたみそ、塩麹を加えて混ぜ合わせ、沸騰直前まで中火にかける。
  4. ブロッコリースプラウトを飾り、お好みで黒こしょうをふる。

石原りささん
腸内環境を整える食事を軸に、身体の内側と外側からのキレイを育む美容食と美容法を発信。

抗酸化力が高く、美肌効果も期待できる野菜のだし「ベジブロス」を活用

普段の料理で活用しているのが、野菜のだし「ベジブロス」です。べジブロスは、本来、捨ててしまう野菜の皮や種、芯などを煮出してつくるので、良い野菜を選ぶようにしています。

いつでもベジブロスがつくれるように、野菜の皮を小さなジップロックに入れて冷凍庫にため込んでいるんです(笑)。ベジブロスは第7の栄養素とも言われ、抗酸化力が高いフィトケミカルが凝縮されています。そのため、アンチエイジング効果と美肌効果も期待できます。

2人の娘たちも大好きなメニューが「れんこんのふわふわポタージュ」。れんこんは、すりおろすことで、よりフィトケミカルを摂取することもできますし、ビタミンCもたっぷり。ベジブロスと豆乳をブレンダーでふわふわに仕上げ、たまねぎの甘さをベースに、さらに豆乳とみそをブレンドしたやさしい味わいです。娘たちは、具だくさんスープよりもポタージュの方が飲みやすいようです。今の季節は、ごぼうやかぶ、きのこのポタージュもよくつくりますね。

食材は、週末に1週間分を買いだめするのが基本です。買ってきた魚や肉は、すぐに塩麹やしょうゆ麹につけ込むようにしています。お魚やお肉がやわらかく仕上がりますし、通常よりも長めに冷蔵保存できますよ。何より、麹は腸内環境にもいいですから。下味がついている状態なので、時短調理にもなると思います。

3人のレシピも掲載!本の中身ちょっと拝見

『体の中からきれいになる食べ方 ~きれいな人がこっそり食べている秘密のレシピ~』
日本インナービューティーダイエット協会著
宝島社 定価:1200円(税込)

※インナービューティープランナーは、日本インナービューティーダイエット協会の認定資格です。

◇百菜元気新聞の2021年12月1日号の記事を転載しました。