カレー×オムライスの組み合わせは鉄板だ。外すことがないメニューだからこそ、ありきたりになりがちで差別化が難しい。店主の愛妻の「カレーでも、もっと野菜が食べたい」のひと言をヒントに、他店にはない一皿となったのが「リトルヤミー」の「1日分の野菜ヤミーオムライス」だ。
 

結城良宏店主は独立して開業することを思い立ったとき「どうせなら自分の好物を出す店にしよう」と考えた。すぐに思いついたのがカレーとオムライス。さらに学生時代に通い詰めていた店の人気メニュー「オムカレー」へのオマージュから、カレー×オムライスのメニューを次々に考案。

1日分の野菜ヤミーオムライス 1290円(税込み) カボチャ、ブロッコリー、ニンジン、パプリカ、レンコン、ヤングコーン、インゲンなど10種類以上の野菜をトッピング

カレー×オムライスだけだと、“あるある”になりがちなところを、同店の人気ナンバーワンメニューに押し上げたのが、店主の奥さまの「もっと野菜が食べたい」のリクエストと、「同じ野菜が10個入っているより、10種類の違う野菜が一つずつ入っている方がいい」との女性目線の指摘だ。

卵3個分を使用したトロトロのオムライス。バターライスやドライカレーライスも検討したが「パラパラになって卵との絡みがイマイチ。しっとりライスの方が自分の好みなので」と王道のケチャップライスを採用

「カレーのトッピングに向いている野菜って、何かな?と考えているうちに、10種類以上になっちゃって、『これだけ食べたら1日分の野菜が取れるよね』ということから、メニュー名が決まりました」。

野菜選びのポイントは彩り。“映え”を意識して、赤、黄、緑をバランスよく取り入れている。その成果もあって、女性客からの支持は絶大だ。が、このメニューの人気の理由は、もちろん見た目だけではない。カレールウには結城店主のこだわりが詰まっている。

野菜は焼く、素揚げ、ボイル後にソテーなど素材ごとに仕込む。注文を受けてからのオペレーションは迅速だ

試行錯誤の結果、たどり着いたのが、黒毛和牛の牛すじ肉をじっくり6時間煮込んだスープにスパイスを加えたルウ。小麦粉、油脂不使用のグルテンフリーで、ミキサーにかけたニンジン、マンゴー、バナナが程よい甘さとトロミを出している。

1人分の野菜。レンジアップ後に盛り付ける

結城店主はここ数年来はやっている「スパイスカレー」には迎合しない。「世間で人気があって、もうかるからという理由でメニューを考えてもつまらない。自分が食べたいもの、おいしいと思うものを作った方が楽しいし、お客さまに自信を持って提供できます」と、「1日分の野菜ヤミーオムライス」はコロナ禍にあっても、店を支える人気メニューになっている。

●店舗情報
「リトルヤミー」
所在地=東京都台東区柳橋2-3-2 エスポワール浅草橋1階
開業=2019年1月
坪数・席数=20坪・16席
営業時間=11時~17時(営業時間短縮中)、11時~23時(通常営業)。日・祝休
平均客単価=1300円
1日平均集客数=40~50人、テイクアウト10~20人

◇外食レストラン新聞の2021年4月号の記事を転載しました。