徳島産業はコロナ禍で健康への意識が加速度的に高まるととらえ、「素材から健康へ」をテーマとして「新機能ポン酢」の「たっぷりたまねぎ檸檬ポン酢」と「たっぷりたまねぎ黒酢ポン酢」の2品を9月1日に新発売した。

市場を健康・きずな・家族への感謝の視点からとらえ直し、「たまねぎ」と「レモン」「黒酢」の素材の力で「いつまでも若々しくキレイに」「家族みんなで元気に」をコンセプトに「たっぷりたまねぎ檸檬ポン酢」と「たっぷりたまねぎ黒酢ポン酢」を生み出した。

「たっぷりたまねぎ檸檬ポン酢」はシャキシャキとした食感の玉ネギをたっぷり使用、レモン果汁とリンゴ酢を加え爽やかな酸味に仕上げている。美容と健康に気を使う若い女性がメーンターゲットにしている。

「たっぷりたまねぎ黒酢ポン酢」はシャキシャキとした食感の玉ネギをたっぷり使用、国産玄米黒酢16%(黒酢100%使用)と、徳島県産のスダチ果汁で仕上げた、黒酢のうまみが特徴の商品。健康のために黒酢を使用する健康意識の高い高齢者をターゲットにしている。

両製品とも400ml、標準小売350円(税別)。鍋料理、カルパッチョ、野菜サラダ、唐揚げ、フライもの、ローストビーフ、ギョウザのたれなど用途は幅広い。市場への浸透度を高めるため2次元コードでの動画配信や、TV放映も準備されている。

2018年に玉ネギのみじん切りをふんだんに入れ、本醸造醤油、鰹節エキス、昆布だしのうまみに、四国産ユズ果汁で仕上げた「たっぷりたまねぎポン酢」(400ml、参考価格350円税抜き)を発売して大ヒットした。

ポン酢は大手の寡占化市場で、後発で知名度のない同社は同質競争でなく異質化路線の方向を取り、そこから生まれたのが圧倒的な玉ネギの具材量で「驚きと意外性」で存在感のある「たっぷりたまねぎポン酢」であった。

商品の中身はシャキシャキの食感を出すため、大きめにカットされている玉ネギを限界まで入れてある。詰まらないように充填(じゅうてん)するため、配合の実験を繰り返し、生産設備の改良も行った。また玉ネギが出にくかったり、詰まらないような容器を採用して工夫を重ねるなど、開発から商品化まで2年かかっている。

健康志向の玉ネギ、ノンオイル、低カロリーの内容も支持される一つになっており、当初はSNSなどで知人に紹介するなどで拡散して人気が沸騰した。2月の日本食糧新聞社制定の食品ヒット賞を受賞するなど、単品で年間販売数500万本を達成している。その後TV宣伝を入れるなどの販促とともに、関東地区を中心に全国的に売上げが伸びている。

◇日本食糧新聞の2020年8月19日号の記事を転載しました。