大市珍味は同社初の市販用冷凍弁当で、勉強に励む子どもをターゲットにした「Studish(スタディッシュ)」シリーズを立ち上げ、11日に5品を発売した。成長期の脳と体に優しく、栄養バランスに配慮しながら、塾前や夕方に食べても眠くなりにくいメニューを取り入れた弁当として小中学生の親や学習塾運営会社への提案を進めていく。

コロナ禍で子どもたちの生活が一変し、朝から夜遅くまで塾で勉強する児童や生徒が増えた昨今、朝に作った弁当を夕方に食べたり、コンビニで好きなものを買って食べたりするわが子の日々の食事を心配する親心に寄り添った。

高タンパクで野菜が摂取でき、糖質は抑えたメニューを同社のママさん管理栄養士が率いるチームが監修して弁当に詰め込んだ。冷凍なので暑い季節も安心して持ち運べ、電子レンジで3分~3分半温めるだけですぐ食べられる。

子どもが食事の内容に興味を持つように、弁当上面に商品名と特徴・管理栄養士監修明記のシールも添付

第1弾の5種類は、女の子に不足しがちな鉄分をアサリで補給する「ボンゴレロッソ弁当」、記憶力や集中力を上げるDHCやカルシウムがたっぷりの「アジ唐揚げ弁当」、集中力や記憶力の向上作用があるローズマリーを多用した「鶏の香味焼き弁当」、高タンパクで低糖質の「豚ごぼうのチャプチェ弁当」、カルシウム摂取で骨格からの体づくりに配慮した「チーズデミカツ弁当」で、希望小売価格は500~600円。続いて9月に6種類を投入し、12月までに全20種類へとラインアップを広げる。

子どもたちが食後の授業で居眠りが多い点にも着目し、栄養バランスに加え、眠気を誘わないようにコメやパンなどの糖質を抑えたため、早く空腹になることも想定し、おからのパウンドケーキや野菜ぎっしりケークサレなど補食も発売予定。

オードブルかまぼこや高級水産練り製品などを得意とする同社が“子ども向け”にフォーカスした理由を西野美穂社長は「将来の日本の文化を担う子どもたちに栄養と体について少しでも知ってもらう機会になればとの願いを込めた。先行きの見えづらい世の中でも、人を笑顔にする食べておいしい、買って良かったと思ってもらえる商品作りを今後も使命としたい」と述べた。

◇日本食糧新聞の2020年8月14日号の記事を転載しました。