秋田県秋田市在住たべぷろ編集部員・山下雄二です。さて、7月2日はうどんの日ですね。これは、讃岐うどんで有名な香川県では田植えが終わったころにうどんを食べる風習があったのが由来です。私が秋田出身ということもあり、今回は讃岐うどんと双璧をなす知名度を誇る秋田県の稲庭うどんを紹介します。

稲庭うどんの歴史

稲庭うどんという名前は、このうどんを初めて作った稲庭(佐藤)吉左エ門さんに由来します。もちろん、地名としても秋田県湯沢市稲庭として名前が残っています。もとは佐藤家にのみ伝わる一子相伝の技術だったようですが、二代目佐藤養助さんが受け継いでからは技術を途絶えさせないために作り方が公開されるようになったのです。

現在は讃岐うどんとともに日本3大うどんとして数えられるほど有名となり、県内はもちろん全国的にも贈答品として愛される存在となっています。

稲庭うどんの食べ方は、秋田県民もよく知らない

そんな、稲庭うどんの特徴は腰の強さと麺の滑らかさです。見た目は少し太いそうめんのようですが、噛むと思いのほか歯ごたえが感じられ、表面もかなりつるつるとしています。この独特の食感は、うどんの空気を抜くための丹念な手作業によって作られます。茹でムラが出づらいのも特徴です。

しかし、稲庭うどんって名前がよく知られている割に、どんなふうに食べられているかはあまり知られていませんよね。実は、秋田県でも普通のうどんと同じように食べているのが現状です。そこで、稲庭うどんを作っている会社はもっといろいろな方法で楽しめるようにレシピを開発しています。

たとえば、二代目佐藤養助から続く佐藤養助商店では、なめこや納豆のほかにグリーンカレーでうどんを食べることができます。

また、こちらも有名な寛文五年堂では鍋うどんやサラダうどん、トマトチーズうどんなど創意工夫の見られるアレンジレシピが公開されています。

寛文五年堂に行ってきました

せっかく秋田にいるので、本場の稲庭うどんを食べてみようと寛文五年堂秋田店に行きました。お店は秋田県立美術館の隣にあり、秋田駅から徒歩で行けます。

なかなか、高級感のある店構え…中も木目がきれいでいかにも和風な感じ。

メニューは温かいうどんと冷たいうどんから選ぶことができます。そんな中、目に入ったのが「生麵・乾麺味比べ」。稲庭うどんは基本的に乾麺で売られていますが、実は少しだけ干した状態の生麺も売られているのです。

早速頼んでみました。

なんと、つゆが通常のものと胡麻つゆの二種類あります。こちらの胡麻つゆは麺つゆに味噌やすりごま、くるみが混ぜられています。麺つゆはだしの風味を良く感じられ、胡麻つゆは少し酸味を感じました。トッピングはねぎ、しょうが、そして刻んだ大葉が付いています。

ちなみに、稲庭うどんはつるっとしているのでつゆを多めに付けたほうが美味しいです。

次に、麺の違いです。

こちらが乾麺を茹でたものです。食べたことがある人にとってはおなじみの稲庭うどんですね。麺が平たいので、腰の強さと柔らかさが両立しています。つゆともよく絡みます。

そして、こちらが生麺を茹でたものです。同じ麺とは思えないくらいの厚みがあります。食感もモチモチと歯ごたえ十分で豊かな風味があります。乾麺以上につゆをはじくので、胡麻つゆと合わせたほうが美味しかったです。

稲庭うどんのおすすめの食べ方を調べてみた私ですが、今回は秋田でもなかなか食べることのない生麺との出会いが一番衝撃でした。

今回の記事で名前の挙がった佐藤養助商店、私が食べに行った寛文五年堂とも、通販を行っています。生麺はちょっと難しいかもしれませんが、本場・秋田の稲庭うどんが食べたいという方は、ぜひお試しくださいね。