日本紅茶協会は16日、紅茶の飲用が集中力に与える影響を検証するために、品川女子学院の協力を得て、ジンズ社が展開するメガネ型ウェアラブルデバイス「ジンズ・ミーム」と同社が提供する集中力を計測する専用アプリ「ジンズ・ミーム・オフィス」を活用し、脳神経外科医・菅原道仁氏の監修の下、紅茶による集中力の変化を測定する実験を実施し、紅茶の飲用により「深い集中力」を向上させることなどを確認し公表した。

試験は5月に同校29人を対象に行われた。紅茶飲用のA群と水飲用のB群に分け、(1)ジグソーパズルを30分実施(2)30分の休憩中にA群は200mlの紅茶を、B群は水200mlを摂取(3)ジグソーパズルを30分実施–後の「深い集中時間」を「ジンズ・ミーム・オフィス」を使い測定したところ、紅茶飲用群は42.1%向上し、水飲用群は47.3%低下した。

菅原氏によると本来の力が発揮されやすい集中は、交感神経が優位になる「没頭」と副交感神経が優位になる「リラックス」のバランスが取れている「深い集中」状態をいう。「ジンズ・ミーム」は、まばたきの回数や強度を読み取ることで深い集中を計測することが可能。「ジンズ・ミーム・オフィス」の集中度が80ポイントを超える状態を最も高いパフォーマンスを発揮する「深い集中状態」として算出、合計時間を記録できる。

一般的に人は同じ作業を継続すると、飽きや疲労などの影響から集中力が次第に低下するが、今回の実験で、紅茶を飲用したグループはこの「深い集中時間」が飲用前よりも上昇したことから、紅茶の飲用が集中力の創出を促進させたと推察されるという。

◇日本食糧新聞の2017年6月23日号の記事を転載しました。