無理なく料理と向き合うことを大切にしているapricot projectです。今回は、春先から夏にかけてと冬の2度旬をむかえる「ごぼう」のレシピをご紹介します。整腸には欠かせない2種類の食物繊維が豊富なごぼう。栄養価が高いだけでなく、ごぼう茶もあるほど香り高く、料理にも独特の味わいやコクを加えてくれる優れた食材です。泥付きで売っていたり、ささがきやアク抜き等の下ごしらえが面倒だったりと、ついつい敬遠していませんか? 5月から初夏にかけて旬をむかえる新ごぼうは、冬場のごぼうに比べて皮が柔らかく特におすすめ。気軽に取り入れるための保存のコツと活用レシピを紹介します。

10分でできる下ごしらえと冷蔵・冷凍保存法

泥付きだったり、アクが強かったり、扱いが面倒なイメージの強いごぼう。私も以前は手に取る回数の少ない野菜でした。でも、独特の香りと風味はごぼうでしか味わうことのできない魅力があり、たとえ毎日のお料理に時間を割けなくても、どうにか活用できないかと簡単な保存方法を見つけるようになりました。

作業時間は10分程度。下ごしらえの済んだごぼうが常備してあると、お料理の幅が広がりおすすめです。

ごぼうは皮に風味と栄養があります。特に新ごぼうは皮が柔らかいので、たわしやアルミホイルを丸めたもので、軽くこすり洗いをしましょう。

こすり洗いを終えたら、1本一気に斜め薄切りにしましょう。

斜め薄切りにしたごぼうを寝かせ、細切りにします。ささがきに比べて作業しやすく、刻んだどのごぼうにも必ず皮の部分がついているので風味豊かに美味しく使うことができます。

細切りしたごぼうは5分ほど水にさらして水をしっかりと切り、重ならないようラップに広げて冷凍保存します。

細切りする時間すらない!という場合は、こすり洗いだけ行い、使いやすい長さに切り、水に浸して冷蔵保存しましょう。

乾燥を嫌うごぼうは水につけておくことで2~3日日持ちします。保存中、水が濁るようでしたら水をとりかえてください。水に少量の酢を加えると、ごぼうが白くなり、色味良く使いたい場合におすすめです。

では、細切り保存した新ごぼうを活用してみましょう。細切りしているので火の通りも早く、お子さんがいるご家庭でも食べやすく、お肉と炒めてメインディッシュ、炊き込みご飯に汁物にサラダ等と、ジャンルを問うことなく活用できます。

作業時間15分程度でできるレシピを集めました。また、細切りする時間すらない日の即席レシピも紹介していますので、ぜひお試しください。

細切りごぼうの炊き込みご飯

様々な食材を混ぜ込むことができて、炊飯器におまかせできて、子どもウケも良い炊き込みごはんは主婦の味方ですよね。細切りごぼうさえあれば、美味しい炊き込みご飯もお手のもの。

今回はごくシンプルな分量を紹介しますが、冷蔵庫の余り野菜を加えたり、油揚げの代わりに鶏肉やシーチキン缶詰などコクを出す食材を加えたり、野菜しかない日だって胡麻油をたらしてみたり、ぜひアレンジしてみてください。

【材料】(2合分)
新ごぼうの細切り 1/2本分
油揚げ 1/2枚
米 2合
薄口醤油 大さじ2
みりん 大さじ2
だし 2合の目盛まで
※塩分の入った顆粒出汁を使う場合は小さじ山盛り2杯

【作り方】

  1. お米を研ぎ、ザルにあげて30分ほどおく。炊飯器に移し、薄口醤油、みりんを加える。
  2. (1)に2合の目盛までだしを入れ、新ごぼうの細切りと油揚げをのせ、炊飯する。

細切りごぼうのお味噌汁

火が通りにくいイメージのあるごぼうですが、細切りにしておけば簡単に汁物に活用できます。

ごぼうだけをお味噌汁の具にしても十分美味しいですし、卵でとじてみたり、豚肉や余り野菜と一緒に使えば豚汁にも。人参や長ねぎと一緒に煮て、胡麻油と白胡麻で仕上げる中華スープもおすすめです。

挽肉と細切りごぼうで簡単牛ごぼう

細切りごぼうは炒めものの具材としても優秀な食材です。鶏肉とめんつゆで炒め煮て親子丼にしたり、にんにくを利かせて豚肉と中華風に炒めたり、我が家ではかなり自由な発想で活用しています。

その中でもパパにも子供にも気に入られ、お夕飯やお弁当のおかずとして定番化したのが「牛ごぼう」です。挽肉で作る手軽でシンプルな作り方をご紹介します。

お肉を小間切れなどにしてみても良いですし、手元にあるごぼうの量やお肉の量にあわせて、ごぼうを多く使いたいときは炒め煮にしてごぼうをやわらかくしたり、お肉をメインにしたいときは、からりと炒めてきんぴら風にしたり…とアレンジすると、同じ食材でも風味が変わり、様々な楽しみ方ができます。

【材料】(2人分)
新ごぼうの細切り 1本分
牛挽肉 120g
酒 大さじ2
砂糖 大さじ2
醤油 大さじ2
みりん 大さじ1
胡麻油 適量

【作り方】

  1. フライパンに胡麻油を熱し、牛挽肉をしっかりと炒めます。
  2. 牛挽肉の色が変わり、ちりちりと音がして少し焼き目がつくくらい炒めたら、酒、砂糖、醤油、みりんを加え、炒めます。
  3. 全体がなじんだらごぼうを加え、汁気が少なくなるまで炒めます。

同じ材料でも、肉をしっかり炒めてから味をつけて最後にごぼうを加える方法と、肉と一緒にごぼうを炒めてから調味する方法で仕上がりが変わります。短い調理時間でできる一品ですので、いろいろな方法で繰り返し作り、味の違いを楽しんでみてください。

細切りごぼうと余り野菜のかき揚げ

ごぼうのレシピでおすすめなのが「かき揚げ」です。我が家では夕飯のおかずとしてもおやつとしても大活躍しています。

作り方はとっても簡単。細切りごぼうにまんべんなく片栗粉をまぶし、お水をぽたりと少量ずつたらして軽くごぼう同士がくっつく程度になるまで調整したら、フライパンで揚げ焼きするだけ。べたべたとくっついていなくても、油に入れて加熱すると、ある程度固まるので安心してください。

揚げ焼きのコツは、できるだけいじらないことです。フライパンに油を1cmの深さになるくらいに入れ、170度程度にしっかり熱し、スプーンやおたまでごぼうをすくってフライパンに落とし、そのままじっと待ちます。菜箸で軽くつついてカリカリとかき揚げの固さが感じられるようになるまではじっと見守るとうまくいきます。

冷蔵庫の余り食材を細切りして加えたり、じゃこやさくらえびなどを加えたりするとさらにおいしく、栄養価も上がります。揚げ物は大変というイメージがあるかもしれませんが、ぜひ1度試してみてください。

細切りできないごぼうは唐揚げに

細切りする時間も気力もない、という日もあると思います。そんな日は、こすり洗いしたごぼうを適当な長さに切り、縦に4つ割に。市販の唐揚げ粉をまぶして揚げれば、歯ごたえとうまみを楽しむことができる立派なおかずの完成です。

唐揚げ粉がなければ、片栗粉をまぶして揚げ、揚がったら熱々のうちにお醤油をジュっとかけるだけでも美味しいです。買ったはいいけど使う気力が無い時にぜひお試しください。

日々のお料理を楽にする「新ごぼう」

いかがでしたか。たった10分の下ごしらえで、毎日のお料理の幅がぐんと広がり、ごぼうの栄養を簡単に取り入れることができるようになることと思います。中でもごぼうの唐揚げやかき揚げは子どものおやつにも、おつまみにもおすすめのレシピです。

新ごぼうがおいしい季節が終わる前に、ぜひ1度、食卓にごぼうを取り入れてみてくださいね。きっとその手軽さに驚いて、冬場のごぼうが出るころにはごぼうが身近な存在になっているはずです。

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