高級タイプの“グルメバーガー”がちょっとしたブームだが、アメリカナイズされたハンバーガーとは一線を画す、ニュータイプが登場した。鉄板焼きカフェ「IRON PLATE CAFE Sapling」の看板メニュー、ほのかに甘いフレンチトーストとステーキ肉を組み合わせた、異色の「フレンチバーガー」だ。

ふんわり軟らか…もんじゃのノウハウも生かす

「肉のエアーズロック」と称される巨大な肉塊焼きで知られ、予約が取れないと評判のもんじゃ・鉄板焼き店、「大木屋」が今春、渋谷に鉄板焼きカフェをオープンした。カフェ業態でありながら、鉄板焼き料理が楽しめるというユニークな店だが、何より提供される料理が新しい!

バンズにフレンチトーストを使い、ステーキを豪快に挟んだ、これまでにない“フレンチバーガー”が同店のメーンメニューだ。フレンチトースト×バーガーを融合させるというありそうでなかったこの発想は、同店を展開するオオキの代表取締役社長、大木康弘氏によるもの。

フランス料理店で修業を積んでいた大木氏が当時、好んで食べていた、フレンチトーストにスクランブルエッグやベーコンを添える朝食からヒントを得ている。「あの独特の“甘じょっぱいテイスト”を、新メニューに生かせないか」と考えた末に、生み出されたのがフレンチバーガーというわけだ。

バンズのフレンチトーストは、同店で粉を配合し、焼いた自家製のパンを使用。具材を挟み、手づかみでかぶりつくことから、もっちりとした食感の「生麺に近い配合」を、大木氏が約1年間かけて作り出した。「大木屋で提供しているもんじゃの粉も店で配合しており、そのノウハウをフルに生かしました」と、大木氏は胸を張る。この自家製バンズを毎朝、卵液に浸して仕込み、オーダーが入ったら鉄板でフレンチトーストに焼き上げるのだ。

「肉のエアーズロック」と同じオージービーフのリブロースを

さらに、看板メニューの“フレンチステーキバーガー”に使われるステーキ肉は、あの「肉のエアーズロック」と同じ、オージービーフのリブロース。バンズからドカンとはみ出る大きさに切り分け、鉄板で焼いて提供する。そのボリューム感は男性でも十分満足がいき、大口を開けて肉にかぶりつく醍醐味を味わえる。

優しいコクと甘さでふんわり軟らかいフレンチトーストと肉々しいリブロースステーキの“甘じょっぱいタッグ”は、これまでの人気グルメではあまり見られなかった味だ。それだけに、グルメの新しい潮流となる可能性を秘めている。

●店舗情報
「IRON PLATE CAFE Sapling」 店舗所在地=東京都渋谷区神南1-17-2 DIX神南1-2階/開業=2017年3月/営業時間=月~土 午前11時30分~午後10時30分、日・祝日 午前11時30分~午後9時30分、無休/席数=(1階)17~18席、(2階)30席/1日平均客数=100人/平均客単価=2500円

◇日食外食レストラン新聞の2017年6月5日号の記事を転載しました。