日本一の漬物を決める「漬物グランプリ2019」が、25~27日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される。全日本漬物協同組合連合会(全漬連)が主催、実行委員会事務局は日本食糧新聞社。今回で4回目の開催となる。会場は西4ホール「第12回ホビークッキングフェア2019」内特設会場。毎回30~60代の主婦を中心に20万人以上が来場する。

法人の部と個人の部を設けている。法人の部は東北、関東、中部、関西、九州の全国5ブロックから104作品の応募があった。各ブロックで2月末までに1次審査を実施し、50作品が2次審査に進んだ。

個人の部は46作品の応募があり2月21日、全漬連事務所で書類選考による1次審査を実施し、23作品が2次審査に進出した。

法人50作品、個人23作品は3月26日、東京都内のスタジオで実食による2次審査を実施した。法人の部はエントリーシートによる製造工程や衛生管理に対する取組み姿勢、個人の部は地域の特産品を使ったかどうかなどを味、彩りとともに厳正に審査し、決勝大会に進出する法人14作品、個人11作品が決まった。

法人の部14作品には金賞の称号が授与される。一方、2次審査に進んだものの、決勝には残ることができなかった作品には銀賞の称号が与えられる。金賞、銀賞とも決勝大会終了後に商品にそれぞれのロゴマークを付けて販売することができる。また、個人の部に高校生、大学生の応募が多いため、前回大会から「学生特別賞」を新設した。

全漬連ブースでは全国の名産漬物の試食販売を実施するとあって長い行列ができた(漬物グランプリ2018)

今回は、17~19日に同じく東京ビッグサイトで開催している「第22回ファベックス2019」の会場内で、来場したバイヤーら300人限定で法人の作品を実食投票してもらっている。

27日には法人、個人ともステージ上でプレゼンテーションを行い、審査委員の実食審査と質疑応答、一般来場者による実食投票の結果でグランプリ、準グランプリ、一般審査特別賞などが決まる。同日表彰式を行う公式Webサイト)

大勢の人が見守る中、緊張のプレゼンテーション(漬物グランプリ2018)

漬物メーカーの産業力促進、地域の漬物文化の価値づくり、日本の伝統的な食文化「TSUKEMONO」を広めることが目的で、漬物業界最大のイベントとして開催する。漬物は最も歴史のある加工・保存食品で、発酵食品としての魅力と価値もある。イベントを通じて漬物の持つ美容・健康機能、季節感などを一般消費者に伝えていく。

グランプリ開催期間中、一般来場者900人が実食(法人の部は25、26日各400食、個人の部は27日100食のみ)し、一番良いと思った作品1品に投票する。

合計900人の来場者が実食投票する(漬物グランプリ2018)

ファベックス投票、一般来場者投票の結果を踏まえ、審査委員の評価で最終結果を決定する。宮尾茂雄東京家政大学教授が審査委員長を務める。

◆全日本漬物協同組合連合会・野崎伸一会長 来場し漬物の味、実感を

昨年の個人の部グランプリは福島県の高校生に 写真右は全日本漬物協同組合連合会・野崎伸一会長

全日本漬物協同組合連合会では、漬物を通じて日本の伝統的な食文化の発展と地域の漬物文化の価値づくりによる地域活性化を目的として、漬物グランプリ2019を開催することといたしました。

漬物は食物繊維やビタミンが多く、機能性に富んだ健康食品です。また、日本で最も古い加工食品で、地方独特の伝統野菜を使うことが多いのも特徴です。こうした文化・伝統は一度失われてしまうとよみがえりません。地方の個性ある漬物や、各家庭で作られている漬物も素晴らしい食文化です。

今回漬物グランプリ決勝大会に進出が決まった作品は個人の部11作品、法人の部14作品ですが、いずれも漬物の良さ、魅力を十分に表現しているものばかりです。ぜひ、決勝大会においでいただき、見て食べて素晴らしい漬物の味を実感していただければと存じます。東京ビッグサイトでお待ちしております。

◆個人の部 決勝大会進出作品

(1)「かぼ蛸金柑の新春漬け」浅川美由紀さん60歳(東京都)

(2)「琴畑かぶの山葡萄漬け」菊池真捺さん17歳(岩手県)

(3)「げんき玉~燻製醤油・伊予柑~」鈴木良尚さん41歳(愛媛県)

(4)「麹ジャム漬けしょうが~ドライフルーツ入り~」角広子さん59歳(山口県)

(5)「かぶらの万能味噌ジュレ」高田壮真さん19歳(京都府)

(6)「(ブロッコリーの)芯ちゃん」田辺静子さん75歳(千葉県)

(7)「赤丸かぶの甘酢漬け~アドベリー風味~」中田惇彦さん21歳(滋賀県)

(8)「京の彩ピクルス」早川翔貴さん21歳(京都府)

(9)「納豆菌対麹菌がコラボした何でも漬け」八島翔さん16歳、菅野海渡さん17歳(福島県)

(10)「お豆腐のみそ漬け on ITALY」山田麻佐恵さん44歳(長野県)

(11)「森のバター鰐梨とチーズの粕味噌漬け」渡部直子さん55歳(北海道)(年齢は応募時)

◇日本食糧新聞の2019年4月19日号の記事を転載しました。