信州地酒と焼き酒粕は長生き晩酌【毎月8日は、信州地酒で乾杯の日】
静岡県熱海市在住のたべぷろ編集部員・古屋あたみんです。
お酒と肴を求め味わいを堪能する魅力を追求し、発信し続けています。毎月8日は信州地酒で乾杯の日! ワインもおいしい長野県ですが、実は日本の銘酒主要産地でもあるんです。信州地産地消が育む酒粕の食べ方にひそむ、長生きパワーの秘密にせまります。
理想的な環境で生まれた信州地酒と酒粕! その郷土料理と素材
長野県では、「信州の地酒普及促進・乾杯条例」(平成27年12月17日施行)に基づき、毎月8日を「信州地酒で乾杯の日」と定めました。毎月8日には長野県酒造組合や各団体が協力し、長野の銘品とともに地酒で乾杯を楽しむイベントを行っています。
しかし長野が酒どころであったとは意外だった、という方も多いのではないでしょうか。うまい酒づくりにかかせないもの、それは良質な水と米です。実は長野県には日本の代表的な酒造好適米として山田錦や五百万石と並び、美山錦という素晴らしい銘柄が存在します。
また長野県は米どころで知られる新潟をはじめ8つの県と隣接し、豊富な自然の森林にも恵まれ、アルプスの大地が運ぶ水など、まさに食に対しての理想的な環境を備えているのです。
今回は森林の宝庫でもある信州木曽路の「湯川酒造」さんの銘酒の「木曽路」と、その酒から生まれる酒粕、そして長野の味噌や野菜をつかった、まさに健康の源といえる理想の郷土料理をご紹介します。
信州地酒の粕汁に凝縮されたご長寿要素
粕汁は山形など北の米どころでもオーソドックスな郷土料理です。日本酒を造るときにもろみができますが、そのもろみを搾った搾り粕が酒粕になります。その酒粕を出汁と信州味噌で溶き、野菜と煮て食べます。
酒粕の効能は粕ともいえないほどのパワーがあるのをご存知でしたでしょうか。
実は酒そのものや米などの主原料からの栄養素ではなく、酒が造られる発酵の過程で働く酵母菌が、うまみ成分であるアミノ酸を爆発的に増やし、その数は米の583倍もあることがわかっています。またレジスタントプロテインというタンパク質の一種も発見され、便通にも良いといわれています。美肌にもいい酒粕の理由がここにあります。
また信州は山々の恵みも多く、きのこや青菜など、粕汁のそのすべての素材がそろってしまうところが驚き。酒だけではなく酒から出る成分も活かした酒粕と地の物でまかなった粕汁。まさに自然を愛でなければできない所業が育てた素材の食べ方。これが信州長野のご長寿の秘訣なのです。
冬の板粕をトースターや焼き網で砂糖や味噌をまぶして焼きます
食に季節があるように信州の酒粕には季節があります。冬は搾りたてのもろみの板粕、そして夏は踏み込み粕といい、冬の板粕をタンクに入れて足で踏み込み空気を押し出して密封し夏までに貯蔵する夏粕があります。
信州地酒とともに味わう焼き酒粕は、冬の板粕をトースターや焼き網で砂糖や味噌をまぶして焼くだけ。好みで七味やネギをふりかけます。昔からある何とも贅沢な郷土のつまみ、信州ならではの長生き晩酌です。
信州地酒と酒粕の郷土の食べ方、そしておいしい酒は酔うばかりでなく長寿の恵みも与えてくれるのです。
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