千葉・本八幡で“フレンチ焼肉”をうたったユニークなコンセプトで、近隣の主婦層を中心に人気を呼んでいる「シェ・スギノ」。オーナーシェフの杉野山之介さんは東京・九段のホテルグランドパレスで長年総料理長を務めていた実力者で、定年退職後のセカンドキャリアとして独立開業を果たした。

同店の定番のまかないは、仕込みで出た牛スジ肉を煮込んだ「牛すじカレー」だ。ランチの売れ筋1位は豪州産牛ヒレ肉を香ばしく焼き上げた「特選牛フィレステーキ丼 クルミ入り」(1200円・税込み)だが、仕込みの段階で大量のスジを切り落とす。このスジは、まずフォンをとるために使われるが、その後も捨てずにカレーの具へと生まれ変わる。

「カレーのルウは業務用のものです。妻と二人で切り盛りしている店ですから、大したまかないは作ってませんよ」と杉野シェフは笑うが、熟練料理人が作るだけにうま味が濃厚。ほろほろと崩れるまで軟らかく煮込まれたスジがたっぷり入っている。

カレーはフォンの仕込みのタイミングで大量に作って冷凍保存。食べる時に湯煎してご飯に盛るだけという手軽さも重宝する。

付け合わせは焼肉のサイドメニュー用に用意しているカボチャやパプリカなど野菜の端材であることが多く、栄養バランスにも優れている。

●店舗情報
「シェ・スギノ」
所在地=千葉県市川市南八幡3-8-13シャトーデザールクボタ104

◇外食レストラン新聞の2019年2月4日号の記事を転載しました。