全国初のお好みの部位をオーダーカットで一切れずつ提供する「一切れ焼肉」を2011年9月に「焼肉萬野ホルモン舗」でスタートした萬野屋。提供される肉質は精肉卸直営の焼肉店として「プロの肉屋も唸る高品質」だ。「一切れ焼肉」をさらに進化させた「My焼肉」の「やきにく萬野ルクア大阪店」は、同社9店舗中一番の繁盛店となっている。

無煙ロースターは基本的に一人1台

「一切れ焼肉」は、「おいしい肉やホルモンを少しずつ何種類も食べたい」というお客さまのニーズに応えた「お客さまファースト」の提供方法。「My焼肉」は、「お客さまファースト」をさらに進化させた「貴方ファースト」。

同社が、グループの来店客の、「ウンチクを語りながら焼く」「提供されたらとにかく焼く」といったシーンを見て、「すべてのお客さまが本当に満足されているだろうか?」という疑問を覚え、生まれた方式だ。

マルチョウ。一人盛り(600円)。半盛りは(300円)に(すべて税抜き価格)

24坪38席のオープンスタイル店舗に無煙ロースターが26台。基本的に一人1台だが、グループ席もある。肉は、萬野屋厳選の極雌萬野和牛。全国の優秀な指定農場で月齢30ヵ月以上(平均32ヵ月)の未経産の雌牛だ。1人前をさらに半分にしたハーフ盛りもある。

一人一台の無煙ロースターだが2人客が多い。それぞれ自分の好きなペースで食べられる、それが「My焼肉」だ

注意しているのは一切れの大きさ。できるだけ多くの種類が食べられて、しかもお値打ち感があり、満足感たっぷりというコスパが高い「貴方ファースト」が、カットにも表れている。

寿司屋のカウンターのような作りの店内は肉の炙り寿司も人気だ

バル使いなどチョイ飲みニーズにもマッチ

客層は、国内最大級の駅商業施設のルクア大阪内という立地条件もあって、女性客が7割と圧倒的だ。「My焼肉」といっても一人ではなく、2人でおしゃべりしながら自分の焼肉スタイルを楽しむ女性客やカップルが多く、バルとしてチョイ飲み需要にも応えている。

また、上司との食事やカジュアルな接待などで男性サラリーマンの人気も高い。「上司・部下共に自分好みの焼き加減、自分のペースで食べられる」「お互いに気兼ねしなくてよい」という理由からだ。訪日外国人観光客の利用も多く、英語・中国語のメニューも用意している。

グループ客の4人席もある

同店は繁忙期で厨房関係5人、ホール5人の10人のスタッフで運営している。週末は400人を超える集客があり、13回転することもあるという。月販は最高で3150万円、平均では月販2700万円前後だという。

萬野屋では、一般的な焼肉店、接待向けの焼肉店、My焼肉など出店立地・出店オファーに合わせた提供方法で、店舗を大阪や東京にも出店していく計画だ。他の地域では、精肉卸として肉の選定から、焼肉店のノウハウを活用してプロデュース業務を行うなどコーディネーターとして日本の焼肉文化に貢献していく考えだ。

駅商業施設「ルクア大阪」地下2階にオープンスペースの立地。臭いや煙も問題はない

●店舗情報
「やきにく萬野屋ルクア大阪店」 
経営=萬野屋
店舗所在地=大阪市北区梅田3-1-3 ルクア大阪地下2階
開店日=2017年12月
営業時間=11時~24時。不定休
坪数・席数=24坪・38席(26ロースター)
平均客単価=昼2000円、夜3800円
1日平均集客数=平日300人、土・日・祝400人

◇外食レストラン新聞の2019年1月7日号の記事を転載しました。