サッポロホールディングス傘下の神州一味噌は3月1日、だし入り味噌をそのままフリーズドライ加工したパウダー状の味噌を発売する。味噌汁はもちろん、ペースト状の味噌や液状味噌では調理しづらい炒め物やサラダなどの料理にも使用できる。ターゲットは仕事や子育てに忙しい20代後半から40代前半の女性。簡便性と汎用(はんよう)性をキーワードに、生味噌とは異なる“時短調味料”として提案する。

同社が発売するのは、パウダー状の味噌「パパッと味噌パウダー/ボトル」(120g)と「同 詰め替え用/パウチ」(100g)の2品。

繰り返し使用しても固まりにくい特殊なフリーズドライ加工を施した。パウダー状のため湯に溶けやすく扱いやすい。カツオと昆布のだしが効いた優しい味わいで、ボトル1本で15杯の味噌汁が作れる。

振りかけるだけで簡単に料理にも使える。凍結乾燥で水分を飛ばしてあるためべたつかず、食材に味がなじみやすい。肉野菜炒めやチャーハンの味付け用としてはもちろん、惣菜や冷凍食品に少し加えるだけで既存のメニューが味噌料理に早変わり。パウダー状のためデザートなど新しい分野での利用も期待できる。

ボトル容器は「味噌を振りかける」という新しい使い方ができるよう、片手でも扱いやすい形状に工夫した。女性が片手で持てるサイズを調査し、容器の高さや直径を決めた。ボトル中央部をへこませることで手にフィットする形にした。

また、計量スプーンが使えるように、ワンタッチで大きく開口するするキャップを採用。利用者が用途に応じて使い分けられるよう配慮した。常温保存できるため、キッチンや食卓に置いても違和感のないデザインに仕上げた。

1月15日に東京都内で行われた記者会見で、松出義忠社長は「味噌の本質に真っ向から挑んだ商品。これまでに感じていた味噌の使いづらさを解消し、おいしさと使いやすさを追求した」と、新商品への期待を語った。

今後はWebやSNSを活用しながらサンプリングなどで認知を高め、初年度で約2億円の売上げを目指す。

◇日本食糧新聞の2019年1月23日号の記事を転載しました。