旬を食べよう!を提唱しているフードコーディネーター渡邉美穂です。お正月明けで気持ちの緩むこの時期、風邪には気をつけたいですよね。受験生のいるご家庭であればなおさらです。そんな時期におすすめしたいのが、旬のフルーツ「金柑」です。

皮ごとパクリ!刻んでサラダに加えてもおいしい

皮ごと食べられる金柑は、生薬名・金橘(キンキツ)として古くから風邪や咳止めに用いられてきたそうです。ビタミンCをはじめ豊富なビタミン類がぎゅっと詰まった、高栄養価フルーツなのです。

参照サイト:
キンカン 日本薬学会

生食はもちろん、ひと手間を加えてハチミツ漬けやジャムにすれば、お料理やお菓子のアレンジも楽しめます。価格もお手頃になる旬の時期の大量買いがオススメです。

ビタミン類を損なわずに食べるなら生食が一番。路地物が旬を迎える1〜3月には、甘さののったおいしい金柑が出回ります。金柑の主な産地は宮崎県ですが、中でも完熟収穫で高い糖度の規定がある「たまたま」というブランドの金柑は生食にオススメです。

生のまま、刻んでサラダに加えるのもおすすめ。いつものサラダが香り豊かにバージョンアップしますよ。旬を迎える白菜と金柑のサラダのレシピを紹介します。

白菜は柔らかい葉の部分を適量ちぎって、塩をひと振り、軽くもんで水気を絞ります。

とろろ昆布と種を取り除いてスライスした金柑、醤油少々を加えてひと揉みするだけ。

金柑のほろ苦さと爽やかな香りでシャキシャキ白菜をさっぱりたくさん食べられるサラダです。

ノドに優しいハチミツ漬けで「ほっと」ドリンク

写真右が金柑のハチミツ漬け。左は金柑ジャムです。ミネラル豊富なトウキビ糖で煮たので色が濃くなっています。

まずは、ハチミツ漬けの作り方から。金柑の種を取り除くひと手間はありますが、思いのほか簡単です。週末、遊び感覚でお子さまと一緒に仕込んでみてはいかがでしょう。ハチミツに金柑エキスが浸み出して、乾燥しがちな喉に優しいおやつになります。

金柑は旬がピークを迎え、安く手に入る時期にまとめ買いしましょう。オレンジ色が濃く、つやのある大きな粒の金柑を選びましょう。

まずは、沸騰した湯で金柑を1分ほどさっとゆがいてザルにあげ、粗熱が取れたらきれいに水気をふき取ります。

竹串などは先の尖ったもので、金柑のヘタを取り除きます。

金柑を横向きに置いて包丁で半分くらいまで切り目を入れます。

開いて中の種を串などで取り出します。

あとは、熱湯消毒して乾かした空きビンに金柑を入れて、上からハチミツを注ぐだけ。

しっかりフタをして2〜3日。最低でも1日は常温で寝かせて金柑のエキスがにじみ出るのを待ちましょう。

そのままお茶うけに。ハチミツの甘さと金柑の爽やかな香りが喉を潤してくれます。

グラスに入れて熱湯を注げば心も体も温まる「ほっと」ドリンクに。受験生や、1日の仕事を終えたママのリラックスタイムに最適です。

紅茶やHOT焼酎で割るのもおすすめです。

チョコで包めばママのリラックスタイムのオヤツに

金柑は、チョコとの相性も抜群なので、お菓子も作ってみましょう。

刻んだチョコをレンジにかけて溶かし、スティックに刺した金柑のハチミツ漬けを浸してまぶしつけ、お好みのグラノーラをまぶすだけ。

冷蔵庫で冷やすとさらにおいしい一口おやつになります。バレンタインにも使えます。

保存の効く金柑ジャムは料理にも活躍!

ハチミツ漬けはやはり、一晩は寝かせたて味がにじみ出してからおいしくなりますが、ジャムなら作ってすぐに食べられます。しっかり熱湯消毒した瓶に詰めれば、ひと冬保存できます。

豚肉などお肉料理のソースとしても活躍するので、時間のあるときに作り置いておくと重宝します。いつもの料理が簡単に、ちょっぴりグレードアップしますよ。

金柑ジャムのレシピ

【材料】(金柑10個分)
金柑 10個
砂糖(できればトウキビ糖、またはグラニュー糖) 金柑の重量の半量
レモン果汁 小さじ1

【作り方】

  1. 金柑のヘタを先の尖ったもので取り除き、横向きにおいて包丁で半分に切り、中の種を取り除き、さらに刻む。
  2. ボウルに(1)の金柑と金柑の半分の重量の砂糖を加えて混ぜ合わせ、しばらくおく。
  3. 鍋に(2)を入れ、弱火にかける。金柑の煮汁が出始め、さらに煮詰まってきたらレモン果汁を加えて軽く混ぜ合わせ、火を止める。
  4. ジャムなどの空き瓶を熱湯消毒してよく乾かしたものに(3)を詰めて保存する。1〜2ヵ月は常温で保存できる。

金柑ジャムをひと冬かけて味わい尽くす食べ方いろいろ

ジャムは食べきれなくて余ってしまう? いえいえ、パンに塗るだけでなく、ヨーグルトに加えたり、紅茶に溶かしたりと楽しみ方はいろいろあります。

例えば、クリームチーズと混ぜてパンに塗ればちょっとしたワインのお供に。クラッカーにサンドすればお子さまのおやつになります。

金柑ジャムに同じ分量の白ワインとお醤油少々加えて混ぜて、レンジにかければ金柑ソースになります。

スペアリブなどの豚肉料理に添えれば、甘みと深みが加わって、いつもの肉料理がグレードアップするので、ぜひ、試してみてください。

ニンニクのすりおろしとケチャップと醤油で下味をつけた豚のソテーに金柑ソースを。

旬の時期にしか食べられない金柑を使ったごちそうレシピ、バレンタインのお料理としてもオススメです。ぜひ、お試しください。

子育てや仕事に追われる忙しい毎日の食卓に、旬のものを取り入れるだけで、ふと、立ち止まって季節の移ろいを感じられるのも嬉しい瞬間です。

旬の金柑をぜひ、味わっていただけたら嬉しいです。