トマトをのせた理由は?サプライズ連続の両面堅焼きソバ
焼きそばといえば、B級グルメの定番。専門店やご当地ものが話題になることはあるが、街の中華料理店の焼きそばが、メディアでこれほど露出することがあっただろうか? 例をみない、話題の焼きそばが「中華料理 帆」の「エビとトマトの両面堅焼きソバ」だ。
トマトONでヒットメニューに
「エビとトマトの両面堅焼きソバ」が考案されたのは、2016年の盛夏を過ぎたころ。「旬が終わった後も、トマトをおいしく食べたい」というリクエストがきっかけだ。
トマトを取り入れた中華メニューとなると、スープや炒め物にするか、チャーハンに混ぜ込むかくらいが定石だろうか。焼きそばとの組み合わせがアリだとしても、カットして具にする程度で、間違っても、丸ごと1個を麺の上にのせようとは思わない。
「エビとトマトの両面堅焼きソバ」がヒットしている理由は、まさにそこにある。人が思いつかないことを実現する、その意外性が売れる。
フライパンで両面を焼く
オペレーションは、ゆでた麺であんをサンドイッチして、フライパンで両面焼く。あんの具はエビ、ニラ、モヤシ、キャベツ、そして刻んだトマト。
トマトは湯むきした後、電子レンジで1分加熱して、途中まで火を通す。さらに蒸し器で5分。電子レンジを使用するのは時短のため。トマトのサイズはLから2L。「これくらいの大きさがないとインパクトがありません」と、原価がかかってもトマトのサイズは譲らない。
食べるときはトマトをスプーンでつぶす。すると、加熱したトマトが崩れてジュレ状になり、箸で麺をほぐすと中からあんが顔を出す。口の中に入れると表面の麺はパリッ、あんの周りはしっとりで二つの食感を楽しめる。焼きそばに酢をかけて食べることがよくあるが、トマトの程よい酸味はその代わりにも。
「あんを挟んだだけの焼きそばは、コース料理の1品として提供していましたが、トマトをのせたことで単独メニューになりました」とマネージャーの許暁帆氏。メニュー化後は、すぐにメディアやSNSで取り上げられ、今や堂々の看板メニュー。売上げに大きく貢献している。
●店舗情報
「中華料理 帆」
所在地=東京都千代田区東神田1-3-5 1階
開業=2014年4月
坪数・席数=23坪・40席
営業時間=月~金11時~15時、17時~24時、土・日・祝日17時~23時。無休
平均客単価=昼700円、夜2000円
平均1日集客数=約50人
◇外食レストラン新聞の2018年11月5日号の記事を転載しました。
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