比較的リーズナブルに手に入れることができる鶏肉。どんな料理にも使え、子どもから大人まで人気があるのも特徴。お得にまとめ買いはしたいけれど、賞味期限内に使いきれるか不安…という方は少なくないはず。ほんの少しのひと手間で、鶏肉をおいしく保存できる方法をお伝えします。

時短調理につながる、おいしい保存方法

日持ちしにくい鶏肉は、新鮮なうちにひと手間加えた「漬け込み冷凍」での保存がおすすめです。お肉を調味液に漬けて冷凍することで、肉の表面の乾燥を抑えられ調理した時にパサつかずしっとりと仕上がります。

様々な調味料やスパイスを使って作る調味液はバリエーションが楽しめて魅力的ですが、今回はできるだけ生に近い状態でありながらも臭みがなく、しっかりと下味が付いた「漬け込み冷凍」をご紹介します。

この方法で冷凍保存しておけば、調理前に塩をふってしばらくおいたり、酒を揉み込んだりといった手間が省けて時短調理に! 解凍後に市販の照り焼きのタレや生姜焼きのタレを使って炒め物にしたり、麺つゆや白だしを使って親子丼や煮物にしたりとその時の気分に合わせて調理ができるのでおすすめです。

基本の漬け込み冷凍レシピ

<材料>

  • 鶏肉 1枚
  • 塩 鶏肉の重さの1%
  • 酒 大さじ2

<つくり方>

  1. 鶏肉を部位に合わせ食べやすい大きさにカットする。
  2. ジッパー付きの保存袋に(1)と塩、酒をいれよく揉み込む。
  3. 袋の中の空気を抜きながら平らにして冷凍庫で保存する。

冷蔵庫または保存袋のまま流水で解凍して使用する。冷凍での保存期間は1ヶ月程度です。

おいしい鶏肉の見分け方

鶏肉は水分量が多く傷みやすいのが特徴。おいしく保存するためにも、購入の際の鮮度チェックは厳しく行いましょう。

パック内にドリップが出ているものはNG

鶏肉は時間の経過とともに肉から水分が流れ出てしまいます。パックの中に水分が溜まっている物はすでに鮮度が落ちている証拠ですので避けましょう。

肉の色や皮の状態をチェック

新鮮な鶏肉は透明感のあるきれいなピンク色をしています。鮮度の悪いものは白っぽく濁っています。たっぷりと水分を含んだ鶏肉は程よく弾力があります。表面にハリがあるものを選びましょう。

鶏肉は皮が黄色く、毛穴が大きく盛り上がって目立つものほど新鮮です。鮮度が落ちると毛穴が閉じ表面が平らになります。

鶏もも肉 毛穴が大きく盛り上がっているものが新鮮な証拠

鶏肉の種類

ブロイラー:日本で流通している鶏肉の約9割を占める。柔らかく食べやすい。

地鶏:出生証明をすることができ、国内鶏の血が50%以下のもの。飼育環境も厳密に決められている。

銘柄鶏:日本・外国いずれかの血が50%以下のもの。飼育の仕方に工夫がなされているもの。

鶏肉の部位

手羽:手羽先、手羽中、手羽元。ゼラチン質や脂肪が多くて濃厚。

むね肉:脂肪が少ないためカロリーが低い部位。あっさりしている。

もも肉:むね肉に比べて肉質はかため。味にコクがある。

ささみ:脂肪は少なく、タンパク質を多く含む。

かわ:脂肪の量が多く、カロリーはささみの約5倍。

上から時計回りに 手羽先、手羽元、手羽中

鶏肉の栄養と成分

鶏肉にはタンパク質だけではない、嬉しい成分が豊富に含まれています。

消化吸収のよい上質なタンパク源

鶏肉のタンパク質はアミノ酸バランスに優れ、消化吸収がよく、脂肪肝の予防に役立つメチオニンも含まれています。なかでもむね肉やささみはさらに高タンパク。お年寄りやお子様、生活習慣病の気になる方におすすめです。

さらに動脈硬化を防ぐリノール酸も

とかく敬遠されがちな脂肪ですが、新鮮な鶏肉の脂肪には、動脈硬化を防ぐリノール酸などの多価不飽和脂肪酸が多いのが特徴です。メタボリック対策やダイエット用の食事にも適しています。

多彩で豊富なビタミン、ミネラル類

鶏肉には、ビタミンA・B、ナイアシンなどが含まれ、特に粘膜を強くするビタミンA(レチノール)や、若さを保つビタミンEが豊富です。また、きもやすなぎもには、鉄分などが多く含まれています。

抗酸化作用のアンセリン、カルノシン

体内で活性酸素の働きを弱め酸化を予防することが、注目されています。
アンセリン、カルノシン両方を多く含む食品「むね肉」も注目です。

美容の味方、コラーゲンもたっぷり

コラーゲンには、肌の潤いや弾力を保つ美肌効果があります。とくに鶏肉の手羽や骨つき肉などには、コラーゲンが多く含まれています。

引用元:一般社団法人 日本食鳥協会