東京・新橋のそばの名店「能登治」で酒のアテとして大人気なのが「かえしで焼いた蕎麦屋の焼き鳥」。焼き鳥を串に刺さずに皿に盛り、練りがらしを添えているのが特徴的だ。
「焼き鳥は串に刺す手間が大きい。うちは焼き鳥店じゃないからね」と、七尾信昭店主。単に手間を省けるメリットだけでなく、箸で上品につまめるのはうれしい。“粋なそば屋で一杯”のお供としては、箸で少しずつ楽しむこちらの焼き鳥の方がむしろ、しっくりくる。

作り方は、鶏もも肉、長ネギ、シシトウをフライパンで炒め、タレを絡める。タレは、同店で仕込む特製の御前がえしを使用。御前がえしは、そばのつゆに使われる“かえし”にみりんを加えたもので、甘辛いタレが鶏肉によく合う。

焼き鳥店の焼き鳥とはどこか異なり、日本酒を飲みたくなるような、まさにそば屋の焼き鳥らしい味だ。添えられている練りがらしがまた絶妙。焼き鳥の味がレベルアップするだけでなく、見た目にもどこか江戸風で粋な雰囲気を感じさせてくれる。

●店舗情報
店名:「能登治」
所在地:東京都港区新橋3-7-5

◇外食レストラン新聞2018年9月3日号の記事を転載しました。