サーロイン牛カツをおいしくやわらかくするプロの技スリットカット!
焼肉店では、牛もも肉やカルビ肉、厚切りタンなどに切れ込みを入れて筋を切り、軟らかくするスリットカット、いわゆる「すだれ切り」の手法は定番です。この手法をカツに採用しよう、というのが今回の提案。2015年ごろ、東京を中心に牛カツが一時ブームとなり、各地で牛カツ専門店が急増しましたが、サーロイン牛をすだれ切りにして油で揚げる「大判すだれ牛カツ」です。
「すだれ切り」で安価な輸入サーロイン牛が激変
使うサーロイン牛は、安価な輸入サーロイン牛で十分です。これを網目状にスリットカットし、カラッと揚げるというわけですが、すだれ切りにすることで安価な輸入牛肉でも軟らかくなり、大きさが広がるのがポイント。
上質の大判ステーキをそのままぜいたくに揚げたかのように仕上がります。切れ込みが入っているため、そのまま揚げるよりも火が通りやすく、短時間でカラッとジューシーに揚がるのも大きなメリットです。
切れ込みなしでそのまま揚げた輸入サーロイン牛と食べ比べてみると、その軟らかさと食感の違いは歴然。すだれ牛カツの方は見た目もひと回り大きく、食感も驚くほど軟らかい。上質のサーロイン牛のように難なくかみ切れ、牛肉のうま味が残った絶妙な味わいです。
誰でも手早くすだれ切りが完成するコツは
実は私は以前から、焼肉店やステーキ店以外ではあまり見かけないこの「すだれ切り」の手法は、カツに採用すると絶対おいしくハマる!と確信していました。すだれ切りの豚カツを看板メニューにした店のチェーン展開の話も進めていたぐらいです。もっともその話は諸事情で、残念ながら頓挫してしまいましたが(苦笑)。
この店舗展開の話が進んでいた際、少し懸念したのが「すだれ切りのテクニック」です。肉を大判で軟らかく揚げるためには、肉がちぎれないギリギリの厚さに切れ込みを入れるのが理想ですが、これを手早く行うには多少のテクニックが必要ですから。
そこで、アルバイトスタッフでも仕込みができるよう、専用まな板を考案しました。100円ショップなどで手に入る厚さ数ミリのプラスチック製まな板の中央部を肉の大きさにくり抜いた、特製まな板です。これを使えば下まで包丁が通らず、深いスリットカットも素早く完成しますよ。
もし、このメニューを「うちでも試してみよう」とお考えの店があったら、併せてこちらの特製まな板も自作し、ぜひお試しください(笑)。
(飲食店プロデューサー 青島邦彰)
◇外食レストラン新聞2018年7月2日号の記事を転載しました。
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