もろみ調味料を使った「発酵のある暮らし」を提案、吉祥寺にアンテナショップ
キッコーマンは7月から、東京都武蔵野市で調味料販売のアンテナショップ店を初めて開き、発酵人気を醤油に導く。家庭用商品で珍しい醤油を搾る前の「こころダイニング 発酵のちから しょうゆもろみ」を発売する。天然原料を半年以上熟成、発酵させたもろみを提案の切り口にして、自然な健康価値を訴える。食材開発も進めて直販・通販事業を強くする。
7月1日から「発酵のある暮らし こころダイニング吉祥寺店」をオープンさせた。1階で「もろみ」を軸にした5種の調味料、米麹などの関連商材を試食・販売。厨房(ちゅうぼう)のある2階で毎月10日ほどセミナーを行い、情報発信と収集の拠点にする。
もろみ発売は大手では業務用加工品、中小・地方企業の直販品に展開がとどまって珍しい。発酵由来の味わいがそのまま味わえるのに着目し、商品化した。主に料理用の「もろみ」「もろみ花椒」「白ごまもろみ」とつけ・かけの「しょうゆの実」「サクサクしょうゆアーモンド」を展開。
食材になじみやすい濃厚なうまみと深い香り、大豆や小麦原料が残った具材感、麹菌酵素や乳酸菌、酵母発酵の物語を強みにする。
セミナーは定員10人の着式形式。季節と催事に合わせたテーマを毎月設定する。講師に薬膳を学んだ料理家を迎える。旬素材の加温といった体調管理の価値、調理のコツなどを紹介する。生活提案を通じ、調理実演と試食を交えてスムーズに伝える。
通販サイトでも同様に発信。日常生活に自然と溶け込んできた醤油の健康価値、発酵イメージの再認識を促す。もろみに漬け込んだ肉などの食材販売も計画。塩麹や甘酒、食酢、納豆人気といった近年の発酵ブームを醤油に取り込む。
◇日本食糧新聞2018年7月4日号を転載しました。
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