牛肉の消費量ランキングで常に全国トップを争っている京都府では、小売の精肉や外食の焼肉に負けじと中食の焼肉弁当も元気だ。その代表格が「ミートショップ ヒロ 総本店」の焼肉弁当各種。軒先のグリドルで焼き上げる臨場感抜群の調理パフォーマンスが人気で、支店を合わせた3店で日販1000食を突破する。

外国人観光客が目当てに来店する京都焼肉ブランドに定着

また、精肉事業の強みを生かして「京の焼肉処 弘」など焼肉10店を京都市内に展開。外国人観光客が目当てに来店する京都焼肉ブランドに定着している。いわば、この焼肉弁当は、精肉と焼肉の心技を尽くした渾身の逸品。とはいえ1000円以内と庶民的。まさに牛肉激戦地が誇るご当地焼肉弁当である。

焼肉弁当を発売したのは2011年の震災後。焼肉の実績とブランド力を買われ、都内百貨店の催事に出店。オープンキッチンのグリドル調理で焼肉弁当を販売したが、手応えが弱いため、本業の精肉で勝負しようと、精肉との複合販売を開始。自慢の目利きが評価され、焼肉弁当の人気にも火が付いた。この成功事例をもとに2015年、本店にも導入した。

増設したオープンキッチンのグリドルで客の目前で焼き上げる

「極選焼肉弁当」と「リブロースの姿焼き弁当」が人気の双璧。いずれも当日に最適な和牛か国産牛かを選び、極選はカルビとロースを混ぜて5~6枚(約90g)、姿焼きはリブロース1枚(約80g)を1人前に使用。もみダレには漬けず、グリドルで牛肉を焼き、仕上げに調味タレを絡め、白飯240gにのせる。副菜は季節素材の2品のみ。素材に自信ありを地で行く内容だ。

リブロースの姿焼き弁当 980円(税込み)

コロッケやメンチも大人気

平日と休日によって異なるが、看板2品は各日販60~120食。その他、季節メニューを含む約10種と合わせて、全3店で日販1000食に達する。販売しているのは精肉本店の他、イオンと大丸のテナント店舗。精肉販売との二刀流で客足を集めている。また、惣菜の看板商品である「コロッケ」(100円・税込み)は日販500~600個、「メンチカツ」(300円・同)は約300個だという。

精肉ならではの調達力、焼肉ならではの調味力、小売と外食の強みを両立した商品力が評価されるが、それ以上に軒先のグリドルで焼くライブ感が魅力だろう。ピーク時は作り置きもやむを得ないが、以外は注文後に焼き上げるツーオーダーに対応。牛肉を焼いて詰める間の5~6分をかけても、「焼きたてを食べたい」という客が多く、この焼きたての鮮度感が人気の決め手だろう。

精肉店は1977年創業。京都牛肉の象徴的存在
【店舗概要】
「ミートショップ ヒロ 総本店」
京都市中京区千本三条角※他精肉2店、焼肉10店を経営

◇外食レストラン新聞2018年7月2日号の記事を転載しました。